2019年6月19日、NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTT-AT)の重要な役員人事が発表されました。この人事は、6月18日付、および7月1日付で実施されるもので、特に事業本部の体制変更や新たな取締役の登用が注目されています。組織の中核を担うトップ人事は、企業の今後の戦略の方向性を示す羅針盤となるため、この動きは同社の未来を占う上で非常に重要であると言えるでしょう。
今回の人事では、まず大規模な事業本部の再編が行われました。これまでの「ネットワーク&ソフトウェア事業本部」を率いていた取締役の伊東匡氏が、「ソリューション事業本部長」と「NWセキュリティマネジメントC(センター)」および「営業推進部」の担当に就任されています。また、これまでは「クラウドIoT事業本部」を牽引されていた牧野将哉氏が、「ネットワーク&ソフトウェア事業本部長」と「クラウドIoT事業本部」「ラピッド開発C」の担当を兼任されることになりました。事業の柱となるこれらの本部のトップが入れ替わることは、それぞれの事業領域における新たな成長戦略や、経営層の期待の大きさを物語っているのではないでしょうか。
さらに、同社が今後注力していくであろう分野を示す重要な担当変更も見受けられます。取締役の髙木康志氏は、「AIロボティクス事業本部長」に加え、新たに「ビジネスインテリジェンスAI・C」と「IPESビジネスC」の担当も兼任されることになりました。「AI」というキーワードが示すように、ビッグデータの分析や、AIを活用したロボティクス技術を駆使した新規事業創出に、同社が本格的に舵を切る決意が感じられます。専門用語である「ビジネスインテリジェンス(BI)」とは、企業が持つ膨大なデータを収集・分析し、経営の意思決定に役立てる手法や技術群を指します。また「IPES(アイペス)」は、NTTグループが提供する映像・画像処理技術を活用したソリューションなど、事業領域を指しているものと思われます。
このほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担う取締役として、江崎修司氏が新たに就任されました。「DX」とは、IT技術を浸透させることで人々の生活をより良く変革していくという概念であり、企業のビジネスモデルや組織体制の変革をも指します。この役員登用は、同社がデジタル技術を活用した事業変革を全社的に推進していくという、強いメッセージであると受け止めることができます。また、取締役として技術開発戦略や内部統制・財務部を担当する平松淳氏、総務兼CSR・考査部を担当する矢部泰利氏も就任し、経営基盤の強化にも重点が置かれていることが分かります。
さらに、今回の人事で特に注目すべきは、2019年7月1日付で、元NTTネットワーク基盤技術研究所長の辻ゆかり氏が「取締役ネットワーク&ソフトウェア事業本副本部長兼営業推進部担当」に就任されることです。これは、NTTグループ全体の研究開発を支えてきた知見と、営業推進という実践的な部門での活躍が期待される、非常に重要なポストです。女性役員の登用は、多様な視点を経営に取り入れ、より柔軟で革新的な企業文化を醸成する上で、非常に好ましい動きであると私は評価しています。また、長年にわたり貢献された小林清澄氏(常務)、荒川賢一氏(取締役)、井手口修一氏(取締役)の3名が退任されることも発表されました。
今回のNTTアドバンステクノロジの役員人事は、同社が「AI」「IoT」「DX」といった成長領域への投資を加速させ、組織体制を一新することで、今後の激しい市場変化に対応していくという強い決意の表れであると言えるでしょう。特に、長年の研究開発経験を持つ女性を役員に迎える姿勢は、技術力と多様性を融合させ、新たな価値創造を目指すという同社の未来図を鮮明に描き出しているように感じられます。この大胆な布陣変更によって、NTTアドバンステクノロジが今後どのようなイノベーションを生み出していくのか、大いに期待が高まっています。
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