2019年10月14日、日本の農業における深刻な労働環境問題に一石を投じる、画期的な取り組みが発表されました。通信大手のNTT東日本と、全国農業協同組合連合会(JA全農)がタッグを組み、最先端のテクノロジーを駆使した実証実験をスタートさせたのです。このプロジェクトの目的は、農作業に携わる人々の健康をITの力で見守り、より安心できる職場環境を構築することにあります。
今回の取り組みの鍵を握るのが、IoT(アイオーティー)と呼ばれる技術です。これは「Internet of Things」の頭文字をとった言葉で、パソコンやスマートフォンだけでなく、身の回りのあらゆる「モノ」をインターネットに接続する仕組みを指します。本実験では、作業員が身につけるスマートウォッチのようなウェアラブル端末が、この通信デバイスとしての重要な役割を果たします。
リアルタイムのデータ監視で事故を防ぐ
具体的なシステムとしては、作業員が装着した腕時計型の端末が、心拍数といった生体情報をリアルタイムで計測し続けます。そして、あらかじめ設定された安全基準値をデータが上回った際には、直ちに現場の管理責任者へアラートが届く仕組みとなっています。これにより、熱中症などの体調不良のサインをいち早く察知し、重大な事故を未然に防ぐことが期待できるでしょう。
実証実験の舞台となるのは、高知県安芸市に位置する「ゆめファーム全農こうち」という大規模な直営農場です。ここは約1ヘクタールという広大な面積を誇りますが、それゆえにハウス施設内部は非常に高温多湿な過酷な環境に晒されます。真夏ともなれば過酷さはさらに増し、従事者の体調管理と労働環境の改善は、農場運営において長く切実な課題となっていました。
未来の農業を創るテクノロジーへの期待
この革新的な試みに対して、インターネット上のSNSでも早速大きな反響が巻き起こっています。「夏のハウス作業は本当に過酷だから、このシステムは早く全国に普及してほしい」「農業もついにスマートウォッチで健康管理をする時代になったのか」といった、驚きと期待の入り混じった好意的なコメントが多く見受けられます。
農業従事者の高齢化や後継者不足が叫ばれて久しい現在の日本において、こうしたテクノロジーの積極的な導入は、産業の未来を切り拓く上で必要不可欠なステップだと私は強く確信しています。過酷な労働というこれまでの農業のイメージを払拭し、誰もが安全に働ける環境を整えることは、新たな担い手を呼び込むための重要な鍵となるはずです。
両団体は、この実証実験を通じてシステムの有効性や課題を洗い出し、2021年3月31日を含む2020年度末までの本格的なサービス化を視野に入れています。日本の食を根底で支える農業現場が、IoTの力でどのようにアップデートされていくのか、今後の展開から目が離せません。
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