千葉市の幕張メッセにて2019年10月15日、国内最大級のIT・エレクトロニクスの祭典「CEATEC 2019」がついにその幕を開けました。かつては家電の見本市としての印象が強かった本イベントですが、今年は装いを新たに「超スマート社会」の実現を目指すテクノロジーの競演場へと進化を遂げています。18日までの会期中には、昨年を上回る16万人の来場者が詰めかける見通しで、会場内は朝から熱気に包まれている状況です。
今回の出展規模は、前年比で約1割増となる787の企業や団体にのぼり、その勢いはとどまることを知りません。特筆すべきは、ANAホールディングスをはじめとする新規出展者が全体の約4割を占めている点でしょう。航空業界など異業種からの参入が相次いでいる背景には、デジタル技術がもはや特定の業界だけのものではなく、あらゆる産業の基盤になりつつある現状が色濃く反映されているといえます。
近未来の移動手段「空飛ぶクルマ」が現実味を帯びる
会場の中でもひときわ来場者の視線を釘付けにしているのが、タイコエレクトロニクスジャパンが披露した「空飛ぶクルマ」の実物大模型です。グライダーを彷彿とさせる洗練されたフォルムの機体は、まさにSF映画の世界から飛び出してきたような佇まいを見せています。これは単なる展示物ではなく、VR(仮想現実)技術を用いたゴーグルを装着することで、空を舞うような臨場感あふれる飛行体験を味わえるのが最大の魅力です。
ここでいう「空飛ぶクルマ」とは、電動垂直離着陸機(eVTOL)を指しており、都市部の渋滞解消や離島への移動手段として期待されている次世代モビリティのことです。模型は腹ばいの姿勢で搭乗するユニークな設計となっており、従来の乗り物の概念を根本から覆す衝撃を与えています。SNS上でも「ついに空を飛ぶ時代が来るのか」「2030年の生活が楽しみすぎる」といった、未来への期待に満ちた投稿が数多く見受けられました。
編集者の視点から申し上げますと、今回のCEATECは「技術の展示」から「社会体験の提示」へと完全にフェーズが移行したと感じます。単に便利な道具を紹介するのではなく、2030年の私たちの暮らしがどう変わるのかという、具体的なビジョンが示されている点は非常に意義深いです。特に異業種間の連携が加速している現状は、日本が提唱する未来社会「Society 5.0」の実現が、すぐそこまで来ていることを予感させます。
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