🔥市場が熱狂!日銀の「深掘り利下げ」は本当に来るのか?金利スワップが示す未来予測と金融市場の真実

2019年6月19日現在、金融市場では日本銀行(日銀)による追加の金融緩和、具体的には政策金利の引き下げに対する期待が急速に高まっています。その期待の度合いを測る指標の一つである翌日物金利スワップ(OIS)から算出される、市場が今後2年間で見込む日銀の利下げ回数は「1.6回」と、2016年10月以来の高い水準に達している状況です。OISとは、一定期間の翌日物金利(変動金利)と固定金利を交換する取引のことであり、将来の政策金利、つまり日銀が今後どう動くかに関する市場の見方が色濃く反映される重要な指標なのです。

こうした市場の動きは、日銀が現在導入しているマイナス金利政策をさらに深掘りする可能性を示唆していますが、その是非については市場内で様々な意見が交わされています。というのも、マイナス金利の深掘り、すなわち政策金利をさらに引き下げることには、銀行の収益悪化など「副作用」の観点から懐疑的な見方が少なくないからです。にもかかわらず、市場が利下げを織り込む方向に動いているのは、世界的な景気減速懸念という大きな潮流が背景にあると言えるでしょう。

この利下げ期待が市場に織り込まれ始めたのは、野村証券の中島武信氏の分析によると、2019年1月頃からだと言われています。特に5月初旬以降に回数が急増したのは、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待と強く連動しているためです。実際、米国の政策金利先物市場では、FRBが翌年4月までに2回以上利下げを実施する確率を9割超で織り込むという極めて高い水準に達しています。この米国の緩和的な金融政策への期待の高まりが、日本の市場にも波及しているのは明白な事実です。

また、米モルガン・スタンレーのマシュー・ホーンバック氏は、米国で長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」の状態が長期化していることも、「FRBに対して市場がより緩和的な金融政策を期待している表れ」だと指摘しています。この逆イールドとは、通常は期間が長い国債ほど金利が高くなるはずが、逆に短期国債の金利が長期国債の金利を上回る現象を指し、一般に景気後退の予兆と見なされることが多い専門用語です。国内市場でも、2年物や5年物国債の利回りが3カ月物などの短期国債の利回りを下回る、同様の長短金利の逆転現象が発生しています。

中島氏は、この国内の逆イールド現象の背景には、「日銀の利下げを見込んで短い期間の国債を買う動きが出ている」という市場参加者の行動があると分析しています。つまり、日銀が近いうちに金利を引き下げると予想している投資家が、短期国債を積極的に購入しているため、その利回りが低下しているという構図です。市場のこの動きは、世界経済の減速懸念が強まる中で、日本の金融政策も利下げの方向に向かうという確信にも近い期待が根底にあることを示していると私は考えます。

日銀は、この記事が制作された時点の直近で、2019年6月19日と20日に金融政策決定会合を開く予定でした。市場には、6月末に20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を控えているため、このタイミングでの政策変更には動きにくいという見方が多かったようです。しかし、バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一氏も「世界景気の減速懸念が強まるなか、市場の目線が利下げ方向に向いているのは確か」と述べており、市場の関心は日銀の次の行動に集中していると言えるでしょう。この市場の強い利下げ期待は、単なる観測に終わるのか、それとも本当に日銀を動かすことになるのか、今後の動向から目が離せません。

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