2019年春に入社したばかりの新入社員たちが、現在の勤務先で定年まで働き続けることに対して、驚くほど慎重な姿勢を見せていることが分かりました。就職情報大手のマイナビが実施した最新の調査によると、「今の会社に定年まで勤める」と回答した新社会人は、わずか2割程度にとどまっているのです。この結果は、従来の「終身雇用」を前提とした働き方に対する意識が、大きく変化している現状を鮮明に示していると言えるでしょう。
この調査は、2019年卒の新入社員800名を対象に、同年5月7日から8日にかけてインターネットを通じて行われたものです。今の会社でどのくらいの期間働くつもりかという問いに対し、「定年まで」と答えた21.8%を大きく上回り、「5年以内」という回答が全体の37.1%を占める結果となりました。加えて「6~10年」が9.8%、「10年以上」が7.6%となっており、長期的なキャリア形成に対して、現在の会社一筋という考え方が主流ではないことが見受けられます。また、「わからない」という回答も23.9%に達し、将来のキャリアプランを流動的に捉えている様子がうかがえるでしょう。
では、新入社員たちが現在の会社で長く働きたいと思わないのはなぜでしょうか。その理由として最も多く挙げられたのが、「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」という回答で、全体の44.4%を占めました。これは、結婚や出産、育児、介護といった人生の節目において、仕事の内容や勤務体系を柔軟に変えていきたいという、個人の生き方に合わせたキャリアデザインへの強い志向を反映しているものと考えられます。次いで、「転職でキャリアアップしたい」が29.7%、「色々な会社で経験を積んでいきたい」が28.9%と続き、自己成長やスキルアップに意欲的な若手社員の姿が浮かび上がってきます。
これらの調査結果は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「今の時代、定年まで同じ会社なんて考えられない」「転職しながらスキルを磨くのが当たり前」といった、若手社員の現実的な意見が多く見受けられました。一方で、「会社側も、新入社員の意識を理解して、より柔軟な働き方を導入すべき」といった企業への提言や、「キャリアアップを目指すのは素晴らしいが、まずは目の前の仕事に真摯に取り組むべき」といったベテラン層からの意見もあり、世代間で働き方に対する価値観が多様化していることが分かります。
私見を述べさせていただきますと、新入社員が「ライフステージに合わせた働き方」や「転職によるキャリアアップ」を強く望んでいるのは、現代社会における個人の価値観の多様化、そして流動的な労働市場の健全な発展を象徴していると捉えるべきでしょう。一つの会社に依存せず、自らの能力と市場価値を高めていくという考え方は、個人のキャリア形成において非常に建設的です。企業側も、この変化を単なる「早期離職の増加」と捉えるのではなく、優秀な人材を引きつけ、繋ぎとめるために、より魅力的な労働環境と成長機会を提供していくことが急務となるでしょう。
さらに、入社後に就職した会社のイメージが「良い方向に変わった」という新入社員が28.9%いる一方で、「悪い方向に変わった」という回答も12.4%存在しています。また、学生時代に戻れるなら就職活動をやり直したいと考えている人が52.8%と半数を超えている点も無視できません。この事実は、企業が採用活動で発信する情報と、実際の入社後の業務や社風との間に、一定のギャップが生じている可能性があることを示唆しています。企業側は、採用ミスマッチを防ぐためにも、より透明性の高い情報提供を心がけるべきであると考えられます。
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