武蔵野銀行が2019年中間決算で一転増益!曙ブレーキ私的整理の影響を乗り越えた強さの秘訣

埼玉県を拠点に地域経済を支える武蔵野銀行から、投資家や地元ファンを驚かせる嬉しいニュースが届きました。2019年11月1日に同行が発表した2019年4月から2019年9月期までの連結決算速報によりますと、純利益が前年同期に比べて4%増加し、約53億円に達する見通しとなったのです。

当初は大幅な減益が見込まれていただけに、この「一転増益」というドラマチックな展開には大きな注目が集まっています。もともとの予想では、前年比で25%も落ち込む38億円の着地とされており、一時は先行きの不透明感が漂っていました。しかし、蓋を開けてみれば見事なV字回復を果たしており、底堅い経営基盤が証明された形です。

今回の利益増の大きな要因として挙げられるのが、曙ブレーキ工業の事業再生を巡る影響です。同社が法的手続きによらずに債務を整理する「私的整理」に入ったことで、銀行側はあらかじめ損失に備えるための「引当金」を積み増していました。この引当金とは、将来発生するかもしれない貸し倒れなどの損失を、事前に見積もって費用として計上しておく、いわば「リスクへの備え」を指す専門用語です。

当初は非常に多額の損失が懸念されていましたが、実際の影響が想定よりも限定的で済んだことが、今回の増益に直結したと言えるでしょう。これに伴い、与信関係費用や法人税等の負担が減少したことで、利益が押し上げられました。SNS上では「地銀の苦境が叫ばれる中でこの修正はポジティブ」「リスク管理がしっかりしている証拠」といった驚きと期待の声が広がっています。

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地域密着の貸出金は好調も、有価証券運用には課題が残る

一方で、収益の全体像に目を向けると手放しで喜べる状況ばかりではありません。本業の儲けを示す経常収益については、2019年11月1日の発表時点で前年同期比8%減の341億円となっており、当初の予想からも4億円ほど下方修正されています。地域に根ざした経営により、貸出金や預金の残高自体は着実に伸びているものの、全体をカバーするには至っていません。

収益減少の背景には、有価証券の利息や配当金が減少しているという構造的な課題が見え隠れします。長引く低金利環境の中で、これまで安定した収益源だった国債などの利回りが低下している影響は無視できません。いくら地元でのシェアを拡大しても、資産運用で利益を出すことが難しくなっているという、現在の地方銀行が直面している厳しい現実がここにも現れています。

私個人としては、今回のような一過性のプラス要因に甘んじることなく、いかに持続可能な収益モデルを再構築できるかが今後の焦点だと考えています。武蔵野銀行は埼玉県内での信頼が厚い銀行ですから、預金を集める力は十分にあります。その集まった資金を、いかに魅力的な融資先や新しい投資先に結びつけていくのか、編集部としても引き続き動向を注視していく予定です。

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