【個人投資家必見】老後資金2000万円問題は現実?4割が「老後資金づくり」に投資する最新動向とつみたてNISA・iDeCo活用術

2019年6月20日、雑誌「日経マネー」が発表した個人投資家を対象とした大規模な調査結果は、多くの人々の関心を集めるテーマを浮き彫りにしました。それは、多くの個人投資家が投資を行う最大の目的が「老後資金の確保」であるという事実です。具体的には、調査回答者の約4割にあたる38%がこの目的を掲げています。

特に、老後の生活が目前に迫っている世代では、この傾向がより顕著になっています。50歳代では過半数を超える54%、60歳代でも44%の方が老後資金づくりを最重要視しているのです。これは、かつて金融庁の報告書が示唆した「老後資金として約2000万円が必要」という金額をめぐる議論が、事実上撤回された後も、公的年金のみに依存するのではなく、自らの力で将来に備えようとする個人投資家の強い意識を物語っていると言えるでしょう。

この調査は、2019年4月12日から30日にかけてインターネット上で実施され、1万2630人もの個人投資家から貴重な回答が寄せられました。投資目的の全体順位を見ると、「老後資金づくり」に次いで「生活資金の上乗せ」が続き、さらに「投資自体が楽しい」という回答も上位にランクインしています。投資は単なる資金準備の手段だけでなく、趣味や自己実現の一環としても捉えられていることが伺えます。

一方で、世代ごとの投資目的には興味深い違いが見られました。30歳代以上の全世代で老後資金づくりが最も多い目的とされたのに対し、20歳代では「給与収入だけでは不安」が最多でした。これは、将来の年金への備えよりも、現在の生活基盤や収入に対する不安を解消することを優先する、若年層の現実的な経済状況を映し出していると言えるのではないでしょうか。SNS上でもこの結果に対して、「20代はまず足元の生活が不安で当然」「老後よりも今をどうにかしたいという気持ちがよく分かる」といった共感の声が多く寄せられており、特に若年層の経済的ストレスの高さがうかがえます。

また、税制優遇を受けながら資産形成ができる制度の活用も、着実に広がりを見せています。例えば、少額からの長期・積立・分散投資を支援する税制優遇制度である「つみたてNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)」の利用率は33.8%に達し、2018年の前回調査から9.7ポイントも上昇しました。これは投資家にとって非課税で利益を得られる魅力的な制度であり、より多くの個人がそのメリットに気づき始めた証拠でしょう。

さらに、個人で将来の年金に上乗せするための資産を積み立てる「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」の利用者も26.9%と、前回調査比で3.2ポイント増加しています。iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象となる大きな税制上のメリットがあるため、特に現役世代からの注目度が高いと考えられます。これらの制度の利用拡大は、投資が一部の富裕層だけのものではなく、一般の生活者にとって身近な資産形成手段となりつつあることを示しています。

特につみたてNISAは、投資歴が短い初心者層ほど利用率が高いという特徴が出ています。投資経験が1年未満の層では48.9%、1年以上3年未満の層では42%が利用しており、制度が意図する通り、投資の入り口として機能していることが分かります。世代別に見ても、つみたてNISAは20~30代の比較的若い世代に、iDeCoは40代の働き盛りの世代に利用が広まっており、それぞれのライフステージに合った制度選択が進んでいる様子がうかがえます。

筆者としては、この調査結果から、公的年金への不安を背景とした「自助努力」による資産形成の機運の高まりを強く感じています。特に、50代の過半数が老後資金づくりを目的としている現状は、政府や金融機関にとっても無視できない重要なメッセージです。多くの人々が、老後の生活資金を自分で確保するために、非課税制度や積立型の投資を賢く活用し始めている今、個々人が金融リテラシー(お金に関する知識や判断力)を高め、自分に合った資産形成プランを実行していくことが、ますます重要になっていくでしょう。

今回の調査の詳細な結果は、2019年6月21日発売の「日経マネー」8月号にて特集される予定です。

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