東南アジアの熱気が集結する商業都市、ホーチミン市にて「ベトナムモーターショー」が華やかに幕を開けました。今回のイベントで最も熱い視線を浴びているのは、間違いなくベトナム最大の不動産・複合企業であるビングループの存在でしょう。彼らは自動車産業への参入を表明してから瞬く間に開発を進め、2019年10月28日現在、地元の期待を一身に背負う主役として会場に君臨しています。
ビングループの自動車ブランド「ビンファスト」が放つ輝きは、これまでの展示会とは一線を画す異例の注目度を誇っています。今回初めて出展されたのは、力強い走りを予感させる多目的スポーツ車(SUV)を含む、精鋭の3車種です。これまで輸入車が主流だったベトナム市場において、自国ブランドの本格的な乗用車が登場したことは、国民にとって単なる新型車の発表以上の意味、すなわち「国家の誇り」として受け止められています。
ここで注目したいSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)とは、舗装されていない悪路から都市部の走行まで幅広く対応できる多機能な車の総称です。高い視界と頑丈な車体が特徴で、家族でのレジャーや荷物の運搬にも適した、世界的に人気が高いカテゴリーを指します。ビンファストは、この激戦区にあえて最初から挑んできたわけですが、その戦略的な野心には驚かされるばかりではないでしょうか。
SNS上では、実車を目にした来場者から「デザインが欧州車のように洗練されている」「ついにベトナム人が自分たちの車を持てる時代が来た」といった感動の声が次々と投稿されています。一方で、短期間での開発に対して「品質の維持がどこまで徹底されているのか見届けたい」という冷静かつ期待のこもった意見も見受けられました。こうした多様な反響こそが、このプロジェクトへの関心の高さを物語っているのでしょう。
編集部としては、ビングループのスピード感あふれる挑戦を非常にポジティブに捉えています。2019年6月に本格参入を果たしてから、わずか数ヶ月でここまでの完成度を披露する実行力は、既存の自動車メーカーにとっても脅威となるはずです。新興国の企業がゼロから自動車を作るという困難な壁をどう乗り越えていくのか、そのドラマチックな展開からは今後も目が離せそうにありません。
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