医療現場のデジタルトランスフォーメーション、すなわち医療DXを強力に推進する新しいサービスが誕生します。内視鏡分野で世界的な実績を持つオリンパス株式会社は、内視鏡検査に関する各種情報をクラウド上で一元管理できる定額制サービス「ヴィヴォリー」を2019年7月より提供開始すると発表しました。これまでの煩雑な検査情報管理を一新し、特に開業医や診療所といった比較的小規模な医療施設での経営効率向上に大きく貢献するでしょう。
ヴィヴォリーの最大の魅力は、高額な専用サーバーやパソコンなどの初期設備投資が一切不要になる点です。サービスは月額定額制で提供され、インターネット接続が可能なパソコンなどの端末があればすぐに利用を開始できます。従来の管理システムでは数百万円規模の導入費用が必要となるケースが多く、結果として大規模病院が主な対象となっていました。この「サーバーレス」という画期的なアプローチにより、多くの中小規模の医療機関が、最新のデジタル情報管理システムを手軽に導入できることになります。
当初提供される機能は、「レポート機能」と「データ分析機能」の二本柱です。レポート機能では、検査を行った部位や内視鏡で撮影した画像、医師による診断結果などの検査情報を入力するだけで、システマティックにデータベース化されます。特筆すべきは、日本の消化器内視鏡分野における標準的なデータベースである「日本消化器内視鏡学会の検査情報データベース(JED)」と項目や専門用語が統一されている点です。これにより、医師の皆様が学会報告用の症例登録などを非常にスムーズに行えるよう工夫されています。
一方のデータ分析機能は、クラウド上に蓄積された膨大な検査情報を自動で集計し、様々な角度から分析を行うことができる優れものです。例えば、医師ごとや検査部位別に検査情報を分類したり、患者さんの来院傾向を詳しく分析したりすることが可能になります。こうした客観的なデータに基づく分析は、診療の質の向上はもちろんのこと、クリニックの経営戦略を練る上で極めて貴重なインサイトを提供してくれることでしょう。まさに、データドリブンな医療経営を実現するための強力なツールであると言えるでしょう。
サービスの利用料金は、レポート機能が月額1万5,000円(税別)、データ分析機能が月額1万8,000円(税別)となっており、どちらも1カ月単位で契約できます。オリンパスは、この新サービスを内視鏡検査の運用を効率化する決定的なサービスとして位置づけ、3年後までに全国で300施設への導入を目指すとしています。この目標設定は、医療現場におけるデジタル化の潜在的なニーズが極めて高いことを示唆しているのではないでしょうか。
このニュースが報じられると、SNS上では「中小のクリニックこそ、こういうクラウドベースで手軽に使えるシステムが必要だった」「初期費用が高くて導入を諦めていたから朗報だ」といった、開業医の方々からの期待や歓迎の声が多く見受けられました。また、「データの集計・分析が自動化されれば、診断以外の業務負担が減り、診療にもっと集中できる」と、医師の働き方改革につながる可能性に言及する意見も寄せられています。医療情報管理の分野で、この「ヴィヴォリー」が新たなスタンダードとなることに大いに期待しています。
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