英国に拠点を置く自動車関連メーカーの間で、事業縮小や撤退の動きが立て続けに表面化しており、産業界に深刻な警戒感が広がっています。特に、欧州連合(EU)離脱を巡る問題が、この動きを加速させている状況だと言えるでしょう。\text{2019}$年$\text{6}$月上旬、アメリカの**フォード・モーター**は、英国にあるエンジン工場の閉鎖方針を発表しました。これは、不振が続く欧州事業の再構築(リストラ)の一環ではあるものの、ブレグジット($\text{Brexit}:英国の$\text{EU}離脱)によって、もし\text{EU}との間で∗∗関税∗∗が復活した場合のコスト増大に対する懸念が、背景にあると見られています。関税とは、国境を越えて物品が移動する際にかかる税金のことで、これが復活すると、部品や完成車を輸出入する際の費用が格段に高くなります。∗ブリジェンド工場∗∗です。この工場は約\text{1,500}人の雇用を生み出し、ドイツにあるフォードの完成車工場などへ製品を輸出している重要な拠点です。英最大の労働組合である∗ユナイトユニオン∗∗は、「部品供給網(サプライチェーン)全体を含めると、数千人の生活に影響を及ぼすことになる。フォードに対し、決定の再考を強く求める」と、強い言葉で反発の姿勢を示しています。サプライチェーンとは、製品が消費者に届くまでの、原材料の調達から生産、流通、販売に至る一連の流れを指す専門用語です。\text{EU}の間で、∗∗関税∗∗が再び導入されれば、自動車メーカーのコストは直ちに増加し、収益を圧迫するでしょう。フォードは、英国議会が離脱協定を承認できずに、突然関税が課されることになる∗に陥った場合、\text{10}億ドル(日本円で約\text{1,080}億円)もの減益要因になると、以前から試算しておりました。このように、自動車産業は、国境を越えた精密なサプライチェーンで成り立っているため、関税復活という不確実性に極めて脆弱だと言えます。フォードの欧州事業は以前から苦戦が続いており、\text{2019}年\text{1}月には、ドイツやフランスの工場休止、さらには数千人に上る人員削減を含む大規模なリストラ策を発表していました。今回のエンジン工場閉鎖は、ブレグジットを巡る混迷が、企業戦略に大きな影響を与えた結果だと分析できるでしょう。\text{2021}年を目途に英国での自動車生産から撤退することをすでに決定しており、これを受けてプレス部品製造大手の∗ユニプレス∗∗も工場閉鎖を検討しています。また、日産自動車も、新型\text{SUV}「エクストレイル」の次期モデルを英国で生産する計画を撤回しました。さらに、ドイツの∗∗\text{BMW}∗∗も、「合意なき離脱」となった場合には、人気車種「ミニ」の一部の生産拠点をオランダに移す考えを示しており、外資系企業の事業再編の動きが顕著になっています。\text{2018}年の自動車生産台数は約\text{150}万台に上り、これはドイツ、スペイン、フランスに次いで欧州第\text{4}位の規模を誇ります。そのうち、ホンダ、日産、トヨタ自動車の日本勢が生産台数の半分近くを占めており、\text{BMW}の生産分まで含めると、全体の約\text{3}分の\text{2}近くが外資系企業による生産です。つまり、外資系企業による撤退や事業縮小が相次ぐ事態となれば、英国経済の根幹そのものを揺るがしかねない非常に重大な局面に差し掛かっていると言えるでしょう。この一連の動きに対し、\text{SNS}上では「雇用への影響が心配」「英国経済は大丈夫なのか」といった、現地で暮らす人々の不安の声が数多く見受けられました。br>
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これは、単に英国の問題にとどまらず、グローバルなサプライチェーンで繋がっている日本を含む世界中の関連企業にとっても、大きな脅威であります。経済的な不確実性は、企業活動にとって最も避けるべきリスクであり、私は一刻も早く、英国政府と議会が、産業界の懸念を払拭できるような明確で安定した着地点を見つけ出すべきだと強く主張します。国際的な企業は、政治的な混乱が続く国を拠点として選ぶことはできません。英国が、引き続き国際的な産業拠点としての魅力を維持できるかどうかの瀬戸際に立たされていると言えるでしょう。
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