働き方改革の波が日本全体に広がる中、私たちのライフスタイルは劇的な変化を遂げようとしています。かつての当たり前だった長時間労働が是正され、生まれた余暇をどう活用するかが個人の未来を左右する時代になりました。特に2019年は、単なる「休息」ではなく、自身の価値を高める「学び」に時間を投資するビジネスパーソンが急増している傾向にあります。
こうした動きを象徴するのが、経営学の最高峰として知られるMBA(経営学修士)への関心の高まりです。MBAとは、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を体系的に学び、戦略的な意思決定ができるリーダーを育成するための学位を指します。最大手のグロービス経営大学院では、2019年度の入学者が前年度より9.3%も増加し、約900名に達したという驚きのデータが発表されました。
特筆すべきは、受講スタイルの変化でしょう。これまでは休日を利用した学習が主流でしたが、最近では平日夜のクラスから先に予約が埋まるという現象が起きています。残業が減ったことで、仕事終わりの時間をそのまま自己研鑽に充てる「アフター5の変革」が定着しつつあります。SNS上でも「早く帰れるからこそ、ダラダラせずに塾へ行く」といった、意識の高い声が数多く見受けられます。
終身雇用の終焉が生んだ「一生学び続ける」という危機感
なぜ、これほどまでに人々は学びに突き動かされているのでしょうか。その背景には、かつての日本型雇用への信頼が揺らいでいる現状があります。一企業に尽くせば一生安泰という神話が崩れつつある今、「学び続けなければ生き残れない」という切実な危機感が、人々の背中を押しているのです。専門性を武器に生き抜こうとする姿勢は、現代を生きる賢明な選択と言えるでしょう。
学びの熱狂は経営学に留まりません。難関資格を目指すオンライン予備校のアガルートでも、2019年には30歳以上の社会人会員の割合が59.5%に達し、3年連続で増加しています。資格取得は、目に見える形でのスキルアップであり、転職や昇進において強力な武器となります。仕事の効率化で手に入れた自由な時間を、将来へのパスポートに変えようとする人々が確実に増えています。
私は、この「平日の学び」へのシフトを非常にポジティブに捉えています。これまでの日本社会は「会社に拘束される時間」を美徳としてきましたが、これからは「自分でコントロールできる時間」の使い方が、個人の豊かさを決定づけます。ビジネススキルを磨くことは、会社のためではなく、自分自身の人生を自由にデザインするために不可欠なプロセスになるはずです。
学び直しのトレンドは、今後さらに加速していくことが予想されます。2019年11月21日現在のこの勢いは、一過性のブームではなく、日本人の働き方と生き方の根本的な転換点を示唆しています。もし、あなたの会社で残業が減り始めているのなら、その時間は天からの贈り物かもしれません。今夜から、新しい自分に出会うための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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