2019年6月20日、ビジネス対話アプリの旗手である米スラック・テクノロジーズ(Slack Technologies)が、米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)に華々しく上場を果たしました。同社の初値は1株あたり38.5ドルをつけ、これは取引所があらかじめ示していた参考価格26ドルを実に48%も上回る、非常に力強いスタートとなりました。この高い期待値を背景に、スラックの時価総額は瞬く間に約195億ドル、日本円にしておよそ2兆円という驚異的な規模に達しています。
この日の上場は、従来のIPO(新規株式公開)とは異なる「直接上場(ちょくせつじょうじょう、Direct Listing)」という手法が用いられている点も注目すべきでしょう。これは、新株を発行して資金調達を行わない代わりに、既存の株主が持つ株式を直接市場で売買できるようにする仕組みで、手数料や希薄化(きはくか:一株当たりの価値が下がる現象)のリスクを抑えられるメリットがあります。スラックが高い成長期待を背負っているからこそ、この異例の形で上場に踏み切れたと言えるのではないでしょうか。
日本経済新聞の取材に応じたスラックの共同創業者であるカル・ヘンダーソン氏の言葉からは、今回の船出を機に、今後のさらなる事業拡大に対する強い意欲が感じられます。同氏は上場の成功を受けて、「日本をはじめとする米国以外の地域で事業を積極的に拡大していきたい」との展望を語っています。これは、日本のビジネスシーンにおいても、スラックが今後一層、重要なインフラとして浸透していく可能性を示唆していると考えられます。
スラックが提供する「ビジネスチャット」は、電子メールに代わる新しいコミュニケーションツールとして、近年急速に利用を広げています。企業内での情報共有やプロジェクト管理をスムーズにし、生産性を劇的に向上させるその利便性は、世界中のビジネスパーソンから熱狂的に支持されています。この上場に対するSNS上での反響も非常に大きく、「ついにこの時が来たか!」「今後の株価の動向が楽しみ」「仕事で毎日使っているから応援したい」といったポジティブな声が多く見受けられ、投資家だけでなくユーザーからも大きな関心を集めていることが分かります。
私見になりますが、スラックの成功は、単なるツールの利便性だけでなく、働き方そのものを変革する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の波に乗っている点が最大の要因でしょう。ビジネスにおいて、スピードと透明性がますます重要になる現代において、スラックが提示する新しい働き方のスタイルは、企業の競争力を高める上で不可欠な要素となりつつあります。今回の2兆円という時価総額は、同社が提供する価値が、いかに未来のビジネスに不可欠であるかを如実に示しているのではないでしょうか。今後のグローバルな展開、特に日本市場での躍進に期待が高まります。

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