私たちの日常を彩る「香り」ですが、実はその感じ方が脳の特性によって大きく異なることをご存知でしょうか。2019年11月28日、東京大学の岡本雅子特任准教授らの研究チームは、自閉症(自閉スペクトラム症)を持つ方と健常者では、においを嗅いだ瞬間の脳の働きに明確な違いがあることを突き止めました。
今回の研究では、被験者ににおいを提示した際の脳波を精密に測定することで、脳がどのように活動しているかという「パターン」や、特にエネルギーを消費して動いている「部位」を特定することに成功しています。これまで感覚過敏などの文脈で語られることが多かった自閉症の特性が、科学的なデータとして裏付けられた形です。
ここで注目すべき「脳波」とは、脳の神経細胞から発生する微弱な電気信号の流れを指しており、いわば脳の活動をリアルタイムで映し出す鏡のようなものです。この測定によって、においという目に見えない刺激に対して、自閉症の方の脳がどのようなプロセスで情報を処理しているのかが視覚化されました。
SNS上では、このニュースに対して「香水や芳香剤が苦手な理由がやっと証明された気がする」といった当事者からの切実な声や、「個人のわがままではなく脳の特性だと理解が進んでほしい」という周囲の期待を込めたコメントが数多く寄せられ、大きな反響を呼んでいます。
感覚の多様性を認める社会へ:研究が示す新たな一歩
自閉症における嗅覚の研究が進むことで、人によってにおいの感じ方に激しい差が生まれる原因の解明も期待されるでしょう。私は、この記事を通じて「普通」という枠組みにとらわれず、一人ひとりの見えている世界や感じている感覚の違いを、尊重し合える文化が醸成されることを切に願っています。
目に見えない「におい」に対する脳の反応を可視化することは、単なる科学の進歩に留まりません。それは、社会が多様な特性を持つ人々をサポートするための重要なヒントになるはずです。東京大学によるこの発見が、将来的に生きづらさを解消する具体的なケアや環境作りに繋がることを期待せずにはいられません。
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