2019年6月23日、東南アジア諸国連合(ASEAN)は、タイの首都バンコクで開催される首脳会議において、深刻化する海洋ごみ問題への対策を強化するため、「バンコク宣言」を採択する見通しです。この地域は、プラスチックごみ(廃プラ)の排出量が非常に多く、海を汚染する状況が深刻なレベルに達しています。会議に参加するタイやインドネシアなど加盟10カ国は、この問題に対する共通の危機意識を持ち、協力体制を構築することで、海洋ごみの削減に向けて取り組んでいくことが確認されるでしょう。
今回のASEAN首脳会議は、6月20日から23日までの日程で組まれており、閣僚級の会合は22日から始まります。実は、海洋ごみ対策については、今年3月に開催された特別閣僚会合で既に話し合われており、「域内に高水準で存在する海洋プラスチックごみに大きな懸念がある」という内容を盛り込んだ共同声明が発表されていました。今回の首脳会議で採択を目指す宣言には、各国における法規制の強化や、問題解決に向けた研究開発の推進、そして民間企業の積極的な関与を促すための施策などが盛り込まれるかどうかが、現在活発に議論されている最中です。
私見を述べさせていただきますと、東南アジアは経済発展が目覚ましい反面、インフラ整備が追いつかず、ごみ処理のシステムが機能していない地域も少なくありません。特に海洋プラスチックごみは、自然分解されずに海を漂い続け、魚や鳥などの生態系に甚大な悪影響を及ぼすばかりか、最終的にはマイクロプラスチックという極小の破片となって、私たち人間の食卓にも戻ってくる可能性があると言われています。ゆえに、この問題は決して看過できません。ASEANという地域連合が一体となって、この地球規模の環境問題に真剣に向き合い、具体的な行動計画を打ち出す姿勢を強く支持いたします。
海洋を巡る多極化する国際情勢と独自のASEAN構想
また、首脳会議では、環境問題だけでなく、国際的な影響力を高めるための重要な議題も協議されます。それが、ASEANがインド洋地域と共に発展を目指す独自の「インド太平洋構想」についてです。現在、日本やアメリカなどの国々が「自由で開かれたインド太平洋構想」を提唱し、一方の中国は広域経済圏の構想である「一帯一路」を掲げるなど、この地域における影響力を高めようと各国が競い合っています。このような状況の中で、ASEANが自ら独自の構想を打ち出すことは、地域における存在感を強調し、国際社会での発言力を高める上で非常に重要な意味を持つでしょう。
さらに、ミャンマーにおけるイスラム系少数民族「ロヒンギャ」への対応、そして中国が軍事拠点化を進めている南シナ海の領有権を巡る問題など、地域が抱える難しい政治的な課題についても話し合われる予定です。特に南シナ海の問題は、国際法を無視した一方的な現状変更の試みに対して、ASEANとしてどのような毅然とした態度を示すことができるのかが注目されています。これらの議論を通じて、ASEANが地域と国際社会の安定に貢献する、建設的な役割を果たすことが期待されます。
議長国タイが国際社会へ強調する「民政復帰」
今回の会議の議長国を務めるタイは、最近、民政への復帰を果たすための総選挙(下院選)を実施し、軍人出身でありながら暫定首相を務めていたプラユット氏を正式な首相に再選出したばかりです。タイ政府は、今回の首脳会議を国際的な舞台として利用し、長きにわたった軍政の時代が終わりを告げ、民主的な体制へと移行したことを国際社会に向けて強くアピールしたいと考えているようです。首脳会議が成功裏に終わることで、タイ国内の政治的な安定と国際社会からの信頼回復に繋がることを願っております。
これらのASEANの積極的な動きに対し、SNS上では「ついに海洋ごみ問題に本腰を入れてくれるのは歓迎」「実効性のある法規制を期待したい」といった環境問題への取り組みを評価する声や、「大国に頼らず、独自の構想を打ち出すASEANを応援したい」といった地域主導の外交を支持する意見が散見されています。海洋環境の保全、そして国際的な地位向上を目指すASEANの今後に、引き続き注目が集まることでしょう。
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