米中対立を乗り越えろ!日本電産が描く「5G」と「EV」で売上高2.3倍を目指す中国市場への “強気な” 戦略

世界的なサプライチェーン(供給網)に大きな影響を及ぼしかねない米中対立の激化が進む中、日本電産は2019年6月20日に北京市で中国事業の戦略説明会を開催いたしました。この非常に重要な局面で、同社の吉本浩之社長は「中国は非常に大事な市場」であると強調し、投資を継続していくという揺るぎない方針を表明したのです。日本電産は、この巨大市場での攻勢を強め、2021年3月期の中国事業売上高を、2019年3月期の実績からなんと2.3倍となる8,000億円まで増やすという、非常に野心的な計画を打ち出しています。

日本電産にとって、中国市場はすでに売上高全体に占める比率が23パーセント(2019年3月期実績で3,547億円)に達する中核的な存在です。吉本社長は「中国市場の成長はこれからも続く」との確固たる見通しに基づき、目標達成によって中国事業の売上比率を40パーセントにまで高めることを目指すとしています。この強気の戦略は、同社が中国市場のポテンシャルを最大限に評価している証と言えるでしょう。

具体的な事業の牽引役として日本電産が注目しているのは、主に五つの大きな潮流です。これには、次世代通信規格である「5G」(ファイブジー)、自動車の電動化と自動運転技術、ロボット利用の拡大、家電製品の省エネルギー化、そして農業用物流の自動化が含まれています。特に「5G」分野では、スマートフォン向けのカメラ関連部品や通信設備向けアンテナなどに注力すると見られています。また、自動車分野では、電気自動車(EV)向けの駆動システムを、すでに中国国有自動車大手の広州汽車集団への納入を開始したことを明らかにするなど、この領域の成長を力強く推進する構えです。

日本電産は、中国企業との取引を加速度的に増やすため、現地での研究開発(R&D)のスピードを現行の五倍にまで引き上げる方針です。吉本社長が「スピードでは中国を先生にしていく」と述べているように、スピード感を重視する中国のビジネススタイルを取り入れることで、さらなる成長を図る意向が見て取れます。そのために、現地経営幹部の育成や、中国各地に設けた研究開発拠点の拡充を進めているのです。

研究開発の具体的な動きとしては、習近平(シー・ジンピン)最高指導部が力を入れている新都市構想の「雄安新区」(ゆうあんしんく)や陝西省西安(せんせいしょうせいあん)において、ロボットや広域経済構想である「一帯一路」との連携を強化する考えです。さらに、広州(こうしゅう)や重慶(じゅうけい)では自動車分野、広東省深圳(カントンしょうしんせん)では通信分野、そして江蘇省蘇州(こうそしょうそしゅう)や南京(なんきん)では、スマートシティー関連事業に注力するなど、地域特性に応じた戦略を展開する予定です。

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世界が注目する「米中対立」と日本電産の未来

米国ではトランプ政権が中国のハイテク分野の急速な成長に危機感を抱き、特に「5G」分野において、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の排除に動くなど、米中間の対立は非常に緊張感のある状況が続いています。このような国際情勢の激化が長期化した場合、日本電産が掲げるような強気な中国戦略にも、少なからず影響が及ぶ可能性が懸念されます。しかしながら、日本電産が中国市場の成長性、そして自社の技術力に自信を持っているからこそ、このような積極果敢な投資計画を打ち出していると私は感じています。同社は、米中対立という逆風を、むしろ世界的な競争を勝ち抜くための試金石と捉えているのではないでしょうか。

この日本電産の発表は、国内外のSNSでも大きな話題を呼んでいます。「リスクを恐れず成長に賭ける姿勢がすごい」「さすが日本電産、決断力が違う」といった、同社の積極性を評価する声が多数見受けられます。一方で、「米中対立の行方次第ではどうなるか心配」「ファーウェイの問題を考えると、楽観視はできないのでは」など、国際情勢を懸念する声も散見されます。しかし、日本電産が示した現地化とスピード重視の戦略は、まさに「中国を先生にする」という吉本社長の言葉が象徴するように、中国市場で勝つための王道と言えるでしょう。今後の日本電産の動向、そして世界経済における米中対立の影響には、引き続き目を離せない状況が続く見込みです。

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