🚀脱・中国依存で高利益率へ!日立建機の「脱中入豪」戦略が市場を魅了するワケ:鉱山機械で攻めるアジア・大洋州市場の勝算

建設機械メーカーの日立建機が打ち出した新たな成長戦略、それは世界最大の市場である中国から離れ、高収益が見込めるオーストラリアなどの鉱山機械分野に注力する「脱中入豪(だつちゅうにゅうごう)」です。2020年3月期の業績については減収減益を見込んでいたにもかかわらず、2019年6月上旬にアジアの機関投資家を訪問した桂山哲夫最高財務責任者(CFO)は、「意外に反応は悪くないな」と胸をなで下ろしたといいます。市場では、このメリハリの効いた戦略が成長の可能性を秘めていると評価され始めている状況でしょう。

この背景には、中国市場での厳しい現実があります。日立建機の中国事業の売上高は、直近のピークであった2011年3月期の2,048億円から大幅に減少し、2019年3月期には1,199億円となっています。さらに、今期は964億円と減少する見込みです。これは、三一重工や徐州工程機械集団といった中国現地のメーカーが低価格で攻勢をかけているためです。しかし、日立建機は安値競争には加わらず、あえて販売を抑制しつつ、修理やメンテナンスなどの「アフターサービス」に注力しています。低価格競争から距離を置くことは、結果的に「意図的な」販売減にもつながっていると考えられるのです。

また、資金回収の効率化も進めています。売掛金の一部を占める「リース債権」(顧客がリース契約に基づいて支払うべき債務)について、日本の大手金融機関と提携することで、中国でのリース取扱高の自社比率を従来の8割から4割にまで引き下げました。これにより、連結ベースの売掛金回転率(売掛金がどれだけ効率よく現金化されているかを示す指標)は、2014年3月期の3.5回から2019年3月期には4.5回へと改善しています。戦略的な販売抑制と資金回収の効率化によって、財務体質の強化を図っていることがうかがえます。

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✨高利益率の鉱山機械市場で勝負!オーストラリアに注力するワケ

日立建機が中国での規模を追う戦略から転換し、代わりに注力するのがオーストラリアを中心とした「鉱山機械」分野です。鉱山機械は、一般的な建設機械の利益率が1割前後であるのに対し、オーダーメイドに近い形で提供されることが多く、利益率が2割以上と非常に高い収益性を持っているのが特徴です。競合として米国のキャタピラーなどの大手メーカーが存在しますが、日立建機は数ある鉱山機械の中でも特に「ダンプトラック」や「油圧ショベル」といった高収益が見込める機種に焦点を絞って差別化を図る方針を打ち出しました。

中でも力を入れているのが、過酷な環境にある鉱山で、昼夜を問わず採掘作業を行うために欠かせない「無人運行機能付きのダンプトラック」です。この分野では、2020年3月期にオーストラリアの石炭大手であるホワイトヘイブン社向けに、初めて納入する予定となっています。このシステムは、既存の有人トラックにも無人運転機能を後から追加できる「後付け機能」を備えていることが大きな強みです。さらに、開発現場で稼働する機械の台数が増えた場合でも、通信の混線を効果的に抑えるための技術も導入されており、高い安定性が期待できます。

このような戦略的な取り組みにより、日立建機はオーストラリアなどの「アジア・大洋州」地域における鉱山機械の売上高を、2020年3月期に前期比17%増となる1,112億円へ伸ばすことを目指しています。その体制強化として、2019年4月には、オーストラリアとニュージーランドにおける販売を統括する新しい会社を設立いたしました。この「脱中入豪」戦略は、高収益事業への集中と販売体制の強化を両輪で進める、非常に明確な方針だといえるでしょう。

💡市場の評価と見込まれる上振れ余地:SNSでの反響も

このメリハリの効いた戦略は、株式市場においても好意的に受け止められています。実際、日立建機の株価の昨年末比上昇率は10%と、ライバルであるコマツ(7%)を上回る推移を見せています。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の佐々木翼氏は「ダンプトラックは成長局面を迎える可能性が高い」と指摘しており、市場からの期待の高さがうかがえます。SNSでも、「日立建機の無人ダンプは将来性がある」「高収益な鉱山事業に注力するのは賢明だ」といった声が散見され、この戦略が今後の成長ドライバーになるとの認識が広がっているようです。

一方で、日立建機は2020年3月期の純利益を、前期比30%減の480億円と慎重な見通しを公表しています。これは中国景気の減速懸念などが主な理由ですが、同社はかねてより保守的な業績予想を出すことで知られています。また、為替レートも1ドル=100円と、実勢(約107円台後半)よりも大幅に保守的な設定となっている点も見逃せません。市場関係者による純利益の予想平均値(QUICKコンセンサス)は5%減の649億円であり、市場は、鉱山機械事業の好調などを背景に、会社予想を上回る「上振れ余地」があると考えている様子です。私の意見としても、収益性の低い価格競争から撤退し、高付加価値で高利益率の分野に資源を集中させる戦略は、企業価値の向上に不可欠な判断であり、その将来性に期待できると考えます。

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