日本のものづくりを支える「産業のコメ」とも言える産業機械の動向に、今、大きな変化が訪れています。日本産業機械工業会が2019年11月13日に発表した最新の統計によると、2019年4月1日から2019年9月30日までの半年間における受注額は、前年の同じ時期と比べて10.4%も減少しました。受注総額は2兆1613億円にとどまり、年度の上半期ベースで見ると実に3年ぶりに前年を下回る結果となったのです。
今回の受注減少には、世界規模での経済的な冷え込みが色濃く反映されています。特に影響が大きかったのは、大規模な設備投資が必要となる「化学プラント」の需要が落ち着いたことです。プラントとは、原油からプラスチックなどの原料を作る巨大な工場設備のことで、一度の受注額が数千億円規模になることもあるため、この減少が全体の数字を大きく押し下げる要因となりました。製造現場の活気が、少しずつ影を潜めている印象を拭えません。
米中貿易摩擦が落とす影とSNSでのリアルな反応
さらに、長期化する米中貿易摩擦も無視できない要因でしょう。アメリカと中国の間で繰り広げられる関税合戦の影響で、工場での荷役や輸送に欠かせない「運搬機械」、さらには部品を削り出すための「加工機械」といったアイテムの需要が冷え込んでいます。SNS上でも「工場の稼働率が落ちてきているのではないか」「投資を控える動きが目に見えて分かる」といった、現場の不透明な先行きを懸念する声が数多く寄せられている状況です。
一方で、2019年9月単月のデータに目を向けると、前年同月比で0.3%増となる4273億1800万円を記録しています。わずかではありますが2カ月連続で前年を上回っており、どん底の状態からは脱しつつあるという見方もできるかもしれません。しかし、世界情勢はいまだに流動的であり、楽観視するのは時期尚早と言えるでしょう。各企業がどのようにこの荒波を乗り越えていくのか、今後の戦略が問われる局面です。
編集者の視点から申し上げますと、今回の結果は単なる景気後退の予兆ではなく、日本の製造業が「次の一手」を模索すべきタイミングであることを示唆していると感じます。海外情勢に左右される受注体質から脱却し、自動化やAI導入といった高付加価値な投資へと舵を切れるかどうかが、生き残りの鍵となるはずです。日本の産業機械が再び力強く立ち上がる姿を、これからも注視していきたいと考えております。
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