日本の大手銀行が、かつてないほど海外市場へとその触手を伸ばしています。2019年11月20日現在、日本銀行が発表した最新の調査結果によると、邦銀が融資を行う先が海外の主要銀行と酷似してきているという、興味深くも危機感を抱かせる実態が浮き彫りになりました。
融資先の重なり具合を示す指数を見てみると、リーマン・ショックに揺れた2008年当時の「79」という数字に対し、直近では「89」まで上昇しています。これは、世界の金融機関がこぞって同じような企業にお金を貸し付けている現状を物語っており、ひとたび景気が冷え込めば、ドミノ倒しのように世界中の銀行が同時にダメージを受けるリスクを孕んでいるのです。
高利回りを求めた果てに?「レバレッジドローン」の甘い罠
特に注目すべきは「レバレッジドローン」と呼ばれる分野です。これは、すでに多額の負債を抱えていたり、信用力が相対的に低かったりする企業に対する貸し付けを指します。いわば、リスクが高い分だけ高い利息が得られる「ハイリスク・ハイリターン」な融資の代表格といえるでしょう。
この分野における融資先の重複度は、この10年間で10ポイントも跳ね上がりました。国内の超低金利政策に苦しむメガバンク各社にとって、海外のレバレッジドローンは喉から手が出るほど欲しい収益源です。しかし、皆が同じ場所に群がれば、当然そこには「過熱感」という名の魔物が潜むことになります。
SNS上でもこの傾向には厳しい視線が注がれており、「過去の教訓を忘れたのか」「高金利に目がくらんで地雷を踏み抜かないか心配だ」といった、リーマン・ショックの再来を危惧する声が目立っています。投資家の間でも、邦銀の海外依存度の高さは大きな関心事となっているようです。
景気後退が引き金に?日銀が鳴らす警鐘の重み
2018年における邦銀参加の協調融資額は、約210兆円という過去最高を記録しました。これは、銀行同士がチームを組んで巨額の資金を融通する仕組みですが、そのターゲットは今や格付けの低い企業にまで及んでいます。景気が順調なうちは良いのですが、懸念されるのは米国などの主要市場で景気が減速した瞬間でしょう。
もし海外の銀行が経営難に陥り、資産を投げ売りし始めたらどうなるでしょうか。同じ融資先を抱える日本の銀行も、市場価格の下落や焦げ付きの連鎖に巻き込まれ、金融システム全体が揺らぎかねません。日銀が金融庁とタッグを組み、警戒レベルを引き上げているのは、まさにこうした最悪のシナリオを防ぐためです。
個人的な見解を述べさせていただくと、収益を追求する姿勢は企業として当然ですが、「横並び」の戦略には危うさを感じざるを得ません。他行と同じ道を歩むことは一時的な安心感を生むかもしれませんが、有事の際には逃げ場を失うことにも繋がります。今こそ、独自の審査眼と真のリスク管理能力が問われているのではないでしょうか。
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