2019年11月30日、私たちの働く環境を映し出す最新のデータが届きました。厚生労働省が2019年11月29日に発表した10月分の有効求人倍率によると、北陸3県の労働市場には少しずつ変化の兆しが見えています。これまで高い水準を維持してきた石川県が、前月から0.08ポイント下がり1.92倍となったのです。
有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して、企業から何件の求人があるかを示す指標です。石川県が2.00倍を下回るのは2019年6月以来のことですが、依然として全国的に見れば高い水準にあります。SNSでは「ついに2倍を切ったか」「製造業の落ち込みが気になる」といった、景気の先行きを不安視する声も上がっています。
製造業の苦戦とサービス業の躍進
石川県内の詳細を見ると、2019年10月の新規求人数は前年同月比で5.2%減少しました。特に製造業の冷え込みが顕著で、機械器具関連の需要が落ち着いた影響から17.8%もの大幅減を記録しています。一方で明るいニュースもあり、飲食・宿泊業は26.6%増と急成長を遂げています。これは新しい飲食店などの大規模な採用活動が活発だったためです。
お隣の福井県では、求人倍率が0.02ポイント上昇して1.98倍となりました。ただ、手放しでは喜べない状況も含まれています。繊維工業を中心に製造業の求人数は8カ月連続でマイナスとなっており、伝統ある地場産業が厳しい局面を迎えていることが伺えます。仕事を探す人自体が減っているため、見かけ上の倍率が維持されている側面もあるでしょう。
富山県も0.01ポイント上昇し1.86倍をマークしましたが、製造業については33.4%減と深刻な数字が出ています。特に生産用機械器具の分野で、前年にあった大量求人の反動が大きく響きました。しかし、秋の新規オープンラッシュに沸く小売業が17.3%増と好調で、サービス部門が地域経済を下支えしている構図が浮き彫りになっています。
編集者の視点:数字の裏にある「働き方」の変化
今回の調査結果を俯瞰すると、北陸の強みであった製造業が踊り場に差し掛かっていることは否定できません。石川県で「会社都合による離職」が5割以上も増えたというデータは、現場で働く方々にとって無視できない警鐘といえます。今はまだ高い倍率を保っていますが、特定の業種に依存しすぎることのリスクを改めて考える時期に来ているのかもしれません。
しかし、飲食や小売といった非製造業が勢いを見せている点は、街の活気を維持する上で心強い要素です。今後は単に「人手不足」と一括りにせず、どの業界でどのようなスキルが求められているのか、より細かく見極める目を持つことが、私たち働き手にとっても重要になってくるでしょう。北陸の底力に期待しつつ、今後の動向に注視していきたいところです。
コメント