【IT業界必見】介護離職を防ぐ!テレワークとネット活用で実現する「仕事と介護の両立」支援の最前線

近年、現役世代の**「介護離職」が深刻な社会問題として注目されていますが、特に社員の年齢層が比較的若いIT(情報技術)業界においても、その影響は無視できないものになっています。この記事の筆者の周辺でも、プロジェクトのリーダー格の人材が親御さんの介護を理由にチームを離脱し、プロジェクト自体が頓挫してしまうという事例が相次いでいるようです。これは、成長産業であるIT業界にとって、優秀な人材の流出につながる深刻な問題と言えるでしょう。

そもそもIT技術は、「働き方の多様化」を支える力として、以前から非常に親和性が高かったと言えます。たとえば、1990年代後半から、育児と仕事の両立に悩むワーキングマザー**(働く母親)たちの情報交換や、子育て支援において、インターネットが大きな力を発揮してきました。筆者自身も1998年の出産後、仕事と育児を両立する中で**「ワーキングマザースタイル」というブログを立ち上げ、ITのおかげで両立を実現できたという経験を持っています。この成功体験を振り返ると、ITが介護を巡る働き方の課題解決にも、大いに役立つはずだと期待せずにはいられません。

しかしながら、現状のITサービスは、介護というデリケートで複雑な問題に対して、まだまだ十分な支援を提供できていないというのが実情ではないでしょうか。介護を理由とした離職が公然と行われるケースだけでなく、介護を主たる理由として表面化させずに、そっと職場を去る「隠れた介護離職」も相当数存在すると推察されます。このように優秀な人材がキャリアを諦めざるを得ない状況は、企業側にとっても大きな損失であり、この流れを食い止めることは待ったなしの急務です。

急な介護と徐々に増す負担への対策

介護が始まるパターンは、大きく分けて「突発的なケース」と「徐々に負担が大きくなるケース」の2種類があります。突発的なケースとしてよくあるのが、突然の親の入院から、退院後の世話を急に引き受ける必要が生じる事態です。高額な費用を払っても介護施設に空きが見つからず、結果的に現役世代の子どもが自宅で介護を引き受けざるを得なくなり、仕事に穴を開けてしまうことになります。このような緊急事態に対応するためには、企業は従業員が「介護休暇制度」を気兼ねなく利用できる環境を整備することが不可欠です。さらに、自宅で介護しながら仕事も続けられる「テレワーク」の導入は、介護と仕事の両立を強力に支える基盤となるでしょう。IT業界は特に、このテレワークを積極的に活用し、社員に寄り添った柔軟な働き方をいち早く実現すべきです。

一方、徐々に負担が重くなるケースへの支援も重要です。介護をしている社員は、そのデリケートな性質上、職場で弱音を吐きにくいものです。企業側が安易にプライベートに踏み込むべきではありませんが、社員が不安や負担をオープンに相談できる仕組みづくりは必要です。たとえば、社内での情報交換ネットワークを整備したり、仕事を持つ人が利用しやすい時間帯に具体的な相談が可能な行政窓口との連携を強化したりするなど、心理的な安全性を高める取り組みが求められます。

働く側が知っておくべき「早めの備え」

介護を担う側も、仕事との両立を見据えて事前に備えておくべきことがあります。最も重要なのは、相談できる人やネットワークを確保しておくことです。また、親御さんが要支援や要介護**(身体上または精神上の障害のため、入浴や排せつ、食事などの日常生活動作について、常に介護が必要な状態)の認定を受けたら、早めにデイサービスなどの介護施設やサービスを確保し、可能であれば実際に利用しておくことが非常に大切です。親御さん自身が「まだ大丈夫」とサービスの利用に消極的になることも多いのですが、いざという時に親の**「寛容性」(新しい環境を受け入れる心の余裕)がなくなり、慣れない場所や大勢の他人がいる場所を拒否してしまうことがあるからです。年を重ねるほど今までの生活への執着が強まり、家族以外の手助けを受け入れなくなる傾向があります。

仕事のキャリアを諦めずに済む環境づくりは、もはや企業の責務であり、そこには大きなビジネスチャンス**も潜んでいると言えるでしょう。介護を担う社員が働きやすい環境を真剣に考えることは、彼らのワークライフバランスの向上だけでなく、ひいては新たなITサービスの創出へとつながる可能性を秘めています。年金問題などで長寿が不安視されるニュースも散見されますが、親の長寿や自身の老後を心から喜べる社会を実現するためにも、企業も働く人も、意識と行動を少しずつ前向きな方向へシフトさせていくべきだと私は強く主張します。

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