2019年6月21日、米グーグルは、ゲーム業界に革命を起こす可能性を秘めたクラウドゲームサービス「Stadia(スタディア)」を、2019年11月に米国やフランスを含む欧米14カ国で開始すると正式に発表しました。この新たなサービスは、ゲーム専用機を持っていなくても、インターネットに接続されたテレビやスマートフォンなどから、高品質なゲームを直接楽しむことを可能にするものです。
これまで3月の参入表明以降、価格やサービス開始時期について詳細が明かされていませんでしたが、今回、米国での基本料金が月額9.99ドル、日本円にしておよそ1,080円という料金設定が明らかになりました。この価格で、30種類以上のゲームを購入して遊ぶことができるようになります。これは、高性能なゲーム機本体の購入費用や、物理的なゲームソフトの入れ替えといった手間からユーザーを解放し、手軽に大作ゲームを楽しめるようになることを意味しており、ゲーム体験の敷居を大きく下げてくれるでしょう。
「Stadia」の最大の魅力は、その技術的な側面にあります。クラウドゲームとは、ゲームの処理自体をユーザーの手元の端末ではなく、インターネット上の高性能なサーバー(クラウド)で行い、その結果の映像だけをストリーミング(逐次配信)でユーザーの端末に送る仕組みを指します。これにより、ユーザー側はハイスペックなコンピューターや最新のゲーム機がなくても、テレビや比較的安価なスマートフォンで高負荷なゲームをプレイできるようになるのです。
グーグルによれば、「Stadia」は通信環境が整っていれば、極めて高精細な4K(よんけー)の高画質でゲームを遊ぶことが可能であるとされています。サービス開始当初は、グーグルのウェブブラウザ「クローム」を利用できるパソコンのほか、スマートフォン「Pixel 3(ピクセル スリー)」や「Pixel 3a(ピクセル スリーエー)」、そして映像配信端末「Chromecast Ultra(クロームキャスト ウルトラ)」を接続したテレビで利用できる見通しです。
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ネット上で開催された発表会では、ベルギーのラリアンスタジオが制作する大作ロールプレイングゲーム「バルダーズゲート3」などが紹介されました。グーグルのフィル・ハリソン副社長は、「数百社のゲーム会社と協業している」と強調しており、そのエコシステムの広がりは目覚ましいものがあります。日本のゲーム会社とも既に提携しており、人気ゲームの一つであるバンダイナムコエンターテインメントの「ドラゴンボール ゼノバース2」(2016年発売)が「Stadia」での配信タイトルとなることが発表されています。
この強力なラインナップは、グーグルの本気度を示すものでしょう。世界中の大手ゲームパブリッシャー(ゲームソフトの販売元)との連携は、「Stadia」が単なる技術的な挑戦に留まらず、ゲーム業界の新たなスタンダードを築く可能性を示唆しています。ユーザーからは、「これならゲーム機本体を買い替えなくてもいい」「どこでも遊べるなら便利すぎる」といった期待の声がSNSでも多く見受けられており、ゲームファンからの注目度も非常に高いです。
💡 サービス開始当初の利用方法と今後の展望
配信当初からこのサービスを利用したいユーザーは、専用のコントローラーと映像配信端末、そして3カ月分の利用料が含まれた**「ファウンダーズエディション」**を129ドルで購入する必要があります。このエディションを購入することで、いち早く「Stadia」の最先端のゲーム体験にアクセスできるようになります。
現時点(2019年6月21日)では、グーグルは日本での配信時期について公式な言及を避けています。しかしながら、ハリソン副社長は「2020年には配信地域を増やす」と説明しており、日本を含むアジア地域への展開も時間の問題と見て良いでしょう。さらに、2020年には月額料金を支払う必要がなく、ゲーム作品を1本ずつ購入して遊べるサービスも開始される予定です。これにより、より幅広い層のユーザーが「Stadia」のサービスを試すことができるようになり、市場が大きく拡大することが予想されます。
私見ですが、このグーグルの「Stadia」の登場は、ゲームの遊び方を根本から変える「ゲームチェンジャー」となる可能性が極めて高いと考えます。従来のゲーム機ビジネスは、高性能なハードウェア(専用機)の販売に大きく依存していましたが、クラウドゲーミングはそれを「インターネット経由のサービス」へと変貌させます。これは、映像配信サービスがレンタルビデオ店を過去のものにしたように、ゲーム機という存在の意義を問う、歴史的な転換点になるかもしれません。グーグルが持つ強力なクラウドインフラと広範なプラットフォームは、この未来を現実のものにするための強力な武器となるでしょう。
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