🚀九州発スタートアップの未来は? ドーガン・ベータ林龍平氏が語る「地域特性を活かす」次世代VC戦略と起業環境

近年、福岡市を中心とした九州エリアで、スタートアップ企業を支援する機運が非常に高まってきています。こうした動きを牽引するのが、独立系ベンチャーキャピタル(VC)のドーガン・ベータです。同社の林龍平代表取締役パートナーは、地域企業と密接に手を組みながら、九州から生まれるスタートアップに特化した投資を長年続けてきました。この記事では、林氏が描く独自の投資戦略や、九州の起業環境の現状、そして今後の成長モデルについて詳しくご紹介いたします。

これまでの投資実績について林氏は、九州にターゲットを絞ったベンチャーファンドを立ち上げ、これまで1社あたり3,000万円から5,000万円という額を投じてきたと説明しています。福岡に活動拠点を置くことで、起業家と直接顔を合わせ、まるで伴走者のように成長戦略を共に描き、事業立ち上げに最適なタイミングで資金を供給してきたのです。その結果、同社からの投資を受けて成長した企業は、次の段階の資金調達(フォローオン投資)を成功させた事例が数多く、これまでに約40社が合計で160億円もの追加資金を調達しているという実績は目覚ましいと言えるでしょう。

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📈「成功確率」より「事業規模」を重視する投資哲学

林氏が投資判断で最も重視しているのは、目先の「成功確率」よりも、その事業がどれほどのスケール(規模)まで拡大する可能性があるか、という点です。事業案がどのような仮説に基づいて練り上げられているのか、その本質を深く見極めることに注力されています。また、最高経営責任者(CEO)、つまり会社の最高責任者が持つリーダーシップや、チームとしての協力体制(チームワーク)も総合的に評価の対象としており、単に数字だけではない、人間力も含めた総合的な視点で判断していることが分かります。

今後の投資戦略について、同社は2017年に設立したファンドに続き、さらに大規模な次世代ファンドの立ち上げを目指しています。現状では年間およそ10社への出資ペースですが、新ファンドではこれを年間15社程度へと引き上げたいという考えを示しています。特に、シード段階(事業のアイデアが生まれ、ごく初期の製品開発が進むフェーズ)にある研究開発型のベンチャーに対して、1億円規模の出資をできるようにする予定だと言います。質の高い投資を実現するには、より多くの優秀な起業家と出会うことが不可欠であるため、他の支援機関とも連携し、福岡市の創業支援施設などで若手起業家との接点を積極的に作りたいと意欲を語っています。

林氏は、福岡の起業環境について「スタートアップが**『街の文化』**になりつつある」とポジティブな見解を示しています。具体的に、起業を意識する若者の絶対数はまだ少ないものの、人口に対する起業家の比率は首都圏よりも高いように感じているそうです。さらに、大手企業が立ち上げたファンドや、地元に根差したVCなど、事業のリスクを取って資金を供給する担い手(リスクマネーの出し手)が増えており、今後、大型の資金調達事例も一層活発化するだろうと予測しています。

💡九州の未来を拓く「地域独自のロールモデル」とは

九州のベンチャー企業が今後どう成長すべきかという問いに対し、林氏は興味深い私見を述べられています。企業評価額が10億ドル(およそ1,000億円超)を上回る未上場企業、いわゆるユニコーンの誕生は望ましいものの、広島の自動車メーカーであるマツダや、愛知のトヨタ自動車のような圧倒的な単独の大企業が出現することで、逆に福岡が持つ「らしさ」が失われてしまうかもしれないという懸念です。これは九州の他の地域にも共通するテーマであり、それぞれの土地の持つ特性を最大限に活かしたベンチャー企業が分散的に生まれていくことが理想であり、そうすることで地域独自の成功事例(ロールモデル)が形成されるだろう、という考えを述べています。

個人的な意見として、林氏はスタートアップの優劣は、時価総額(会社の市場価値)やユーザー数といった数字だけで決まるものではないと考えています。数値的な指標だけでなく、その事業がどれだけ社会貢献を果たせるのかという点でも競い合えるような環境になってほしい、という強い願いを語っています。林龍平氏は1999年(平成11年)に九州大学法学部を卒業後、住友銀行(現在の三井住友銀行)に入行、2005年(平成17年)にドーガンに入社されました。そして、2014年(平成26年)には福岡市の創業支援施設「スタートアップカフェ」の設立にも携わり、2017年(平成29年)からは現職を務めています。福岡県出身の42歳(※2019年6月21日時点)の同氏が描く、九州発スタートアップの新たな未来図に、大きな期待が集まっています。

林氏のインタビューが公開された後、SNSでは**「地域特性を活かした分散的な成長」という考え方に共感する声が多く見受けられました。「地方のスタートアップの理想的な姿だ」「一つのユニコーンを目指すだけでなく、地域ごとの多様な成功例が生まれるのが九州らしい」といった意見が飛び交い、この記事は「地方創生」や「スタートアップエコシステム」**というキーワードとともに大きな反響を呼んでいる状況です。

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