【東京五輪】新国立競技場、完成目前の「光と影」とは?2019年11月完成へ向け8割完了も、年間24億円の維持費に懸念の声

いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。そのメインステージとなる「新国立競技場」の姿が、東京・新宿の空にはっきりと浮かび上がってきました。2019年6月22日現在、施主である日本スポーツ振興センター(JSC)によると、工事の進捗率は約8割に達したとのことです。5月中旬には屋根の工事も完了しており、建設現場周辺を通ると、その圧倒的な存在感に思わず足を止める人も少なくありません。総工費1500億円超を投じた巨大プロジェクトは、2019年11月末の完成に向けてラストスパートに入っています。

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大会後の「負の遺産」化を避けるための民営化プラン

オリンピック開催時には約6万8000席の熱気に包まれる予定の同スタジアムですが、注目すべきは「祭りの後」の計画です。大会終了後には、サッカーやラグビーなどの「球技専用施設」として改修され、座席数も8万席規模へと拡張される予定となっています。そして、この巨大施設の運営権を民間に売却する「コンセッション方式(公共施設等運営権制度)」の導入が方針として掲げられています。これは、所有権を国に残したまま、運営だけを民間企業に委ねることで、民間のノウハウを活かした収益化を目指す仕組みです。

この運営権売却によって、国際大会や日本代表戦などのスポーツイベントだけでなく、コンサート会場としての利用料収入も見込まれています。しかし、ここで大きな壁となるのが、年間約24億円と試算される巨額の維持管理費です。このコストは運営事業者が負担することになるため、決して軽い荷物ではありません。実際、JSCを所管するスポーツ庁の担当者からも、「果たしてこの条件で引き受ける業者が存在するのか」という不安の声が漏れ聞こえているのが現状です。

SNSでの期待と不安、そして編集部としての視点

ネット上やSNSでは、徐々に完成形が見えてきたスタジアムに対して「木のぬくもりが感じられるデザインが良い」「完成が待ち遠しい!」といった期待の声が多く上がっています。その一方で、維持費の問題が報じられると「年間24億もかかるの?」「また税金が投入されることになるのでは」といった厳しい意見も散見され、国民の感情は複雑に揺れ動いているようです。華やかな五輪の舞台裏で、コスト意識に対する視線はこれまでになく厳しくなっています。

私たち編集部としても、新国立競技場が単なる「五輪のモニュメント」で終わってしまうことは避けるべきだと考えます。かつての長野五輪後の施設維持に苦労した教訓を生かし、持続可能な運営モデルを早期に確立することが不可欠でしょう。「作ったはいいが、使い道と維持費に困る」という事態だけは避けなければなりません。2019年11月の完成を祝うとともに、その後の数十を見据えた、具体的かつ現実的な収益プランの提示が、関係各所に求められているのではないでしょうか。

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