【中国経済】レアアース輸入がまさかの急増!米中貿易戦争の「切り札」に生じた矛盾とは?

ハイテク製品に不可欠な資源である「レアアース(希土類)」について、その生産大国であるはずの中国で異変が起きているのをご存じでしょうか。なんと、中国のレアアース輸入量が急増しているというのです。これまで「世界の工場」として資源を供給する側だと思われていた中国が、実は世界最大の輸入国になっているという分析もあり、市場関係者の間で衝撃が走っています。

具体的な数字を見てみましょう。北京からの報道によれば、2018年における中国のレアアース輸入量は、前年と比較して3倍近くに達する9万8000トンにまで膨れ上がりました。これには化合物なども含まれていますが、生産量と同じ基準である「REO(酸化物)換算」で計算しても4万1000トンとなり、事実上の世界最大輸入国になったと言われています。ここでいうREOとは、レアアースを採掘・精製した際の純度や含有量を統一して比較するための「酸化物換算」という指標のことです。この数字が、中国の資源事情の変化を物語っています。

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需要爆発に追いつかない国内生産の現状

では、なぜこれほどまでに輸入が増えているのでしょうか。決して中国国内での生産が止まっているわけではありません。規制緩和の影響もあり、2018年の国内生産量は前年比14%増の12万トンと、順調に数字を伸ばしています。しかし、電気自動車(EV)やスマートフォンなどのハイテク産業向け需要の伸びが凄まじく、国内生産の拡大ペースをもってしても追いつかないのが現状なのです。一方で、輸出量についても4%増の5万3000トンとなっており、旺盛な内需と外需を賄うために海外からの資源流入が必須となっているのでしょう。

このニュースに対し、SNS上では驚きの声が多く上がっています。「中国がレアアースを輸入?輸出国じゃなかったのか」「資源のブラックホール化が進んでいる」「これでは貿易戦争のカードにならないのでは?」といった反応が見られました。確かに、資源を豊富に持つ国が、さらに他国から資源を買い集めるという構図は、直感的には理解しがたい部分があるかもしれません。しかし、これこそがグローバルなサプライチェーンの複雑さを表していると言えます。

対米カードとしての「レアアース」はその効力を失うのか

現在、最も注目されているのは米中貿易摩擦における「外交カード」としての側面です。米国は輸入するレアアースの約8割を中国に依存しており、中国政府はこの資源供給を米国への対抗策、いわゆる「報復カード」として位置づけている節があります。しかし、ここで皮肉な現実が浮かび上がってきました。急増している中国の輸入分には、なんと米国産のレアアースも含まれているのです。敵対しているはずの相手国から資源を輸入しなければならないという、なんとも矛盾した状況が発生しています。

私個人の見解としては、中国がレアアースを強力な外交カードとして使い切るには、少々足場が不安定なように感じます。自国の産業を維持するために米国産資源が必要なのであれば、供給を絞ることは自らの首を絞めることにもなりかねないからです。現場からも「果たしてカードとして機能するのか」という疑問の声が上がるのも無理はありません。今後、この資源を巡る駆け引きがどのように展開するのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。

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