【スバル株主総会】検査不正で社長が陳謝!株主からの厳しい叱責と信頼回復への険しい道のり

2019年6月21日、東京都内にてSUBARU(スバル)の定時株主総会が開催されました。自動車業界のみならず、日本のモノづくり全体の信頼を揺るがす事態となった一連の検査不正問題。その渦中にある同社の総会とあって、会場は重苦しい緊張感に包まれていたようです。冒頭、中村知美社長は「1年にわたって一連の完成検査問題を収束できず、おわび申し上げる」と陳謝し、経営トップとして苦渋の表情を浮かべながら、株主に対して深々と頭を下げました。

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「現場に寄り添う」姿勢に厳しいツッコミ

今回の総会で焦点となったのは、やはり再発防止策の実効性です。経営陣は、役員らが定期的に工場の現場へ足を運び、直接従業員から課題を聞き取るなどの取り組みを説明しました。しかし、これに対して株主からは「現場に寄り添うのは基本中の基本ではないか」といった、極めて本質的かつ厳しい批判が相次ぎました。モノづくりの現場において、経営層と現場の乖離が不正の温床になったとも言えるだけに、この指摘は痛いところを突いていると言えるでしょう。

ここで改めて、今回の問題の発端となった「完成検査問題」について解説しておきましょう。これは、新車の出荷前に行う最終的な品質チェックである完成検査を、社内規定で定められた認定講習を受けていない無資格の従業員が行っていたという不祥事です。高い安全性能や走行性能をブランドの核としてきたスバルにとって、根幹となる「信頼」を自ら傷つける行為であり、その代償は計り知れません。

離れる株主、下落する株価への焦り

信頼の失墜は、数字にも如実に表れています。今回の総会に出席した株主数は629人と、2018年に比べてなんと3割も減少しました。これには、度重なる不正発覚に愛想を尽かした投資家が多かったことや、低迷する株価に対する失望感が背景にあると考えられます。質疑応答の場面でも、検査不正への対応の遅れや、それに伴う株価低迷に対する叱責が相次ぎ、経営陣は防戦一方の苦しい展開を強いられました。

SNSなどのネット上でも、今回の総会や一連の対応について多くの反響が寄せられています。「スバリスト」と呼ばれる熱心なファンからも、「技術のスバルが好きだったのに、企業体質がこれでは悲しい」「現場に行くのが対策って、今まで行っていなかったのか?」といった落胆や呆れの声が散見されます。一方で、「膿を出し切って、もう一度いい車を作ってほしい」という切実な願いもあり、ファンの愛情に応えられるかが正念場です。

編集後記:真の「信頼回復」とは

中村社長は「真に正しい会社をつくる施策を断行し、高い規範意識を持つ職場にする。信頼回復のため全力を尽くす」と宣言しました。しかし、私個人の意見としては、信頼回復という言葉は簡単に口にできるものではありません。現場に足を運ぶという当たり前のことを「対策」として挙げざるを得ない現状は、組織の硬直化が相当深刻であることを示唆しています。

ブランドイメージの回復には、特効薬はありません。地道に、かつ誠実に安全な車を作り続けること、そして企業統治を根本から見直すこと。これらを何年も継続して初めて、失われた信頼の欠片を拾い集めることができるのではないでしょうか。スバルが再び「安心と愉しさ」を胸を張って語れる日が来るのか、我々メディアも厳しい目で注視していく必要があります。

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