2019年6月22日までに、最高検察庁から公表されたデータは、刑事司法における歴史的な変革の進展を物語っています。2018年度、全国の検察庁が行った取り調べの可視化件数が、ついに10万件の大台を超え、前年度から1,759件増加して、合計10万2,154件に達したというのです。これは過去最多の数字であり、「取り調べの可視化」という制度が、日本の刑事手続きにおいて着実に根付きつつあることを明確に示しているといえるでしょう。この「取り調べの可視化」とは、容疑者の供述を得るための警察や検察による聴取の全過程、あるいはその一部始終を、録音・録画することです。これにより、不当な圧力をかけて自白を強要する、といった問題を防ぎ、冤罪の防止に繋げることが最大の目的です。
この膨大な件数の中には、特に重要性の高い事件が含まれています。具体的には、一般市民が裁判に参加する「裁判員裁判」の対象となる事件が2,603件、また、検察官が独自に捜査を進める事件が115件となっています。これらの可視化対象事件では、取り調べの「全過程」を録音・録画した割合が、それぞれ約98パーセントと約97パーセントという非常に高い水準に上っていることが注目されます。大半のケースで、最初から最後まで、透明性を確保した聴取が行われたことを意味しています。この結果は、検察当局が、公正な手続きへの強い意志を持って、この制度の運用に取り組んでいる証左と評価できるのではないでしょうか。
一方で、可視化されなかった、ごく少数のケースも存在しています。その主な原因として、聴取を受ける容疑者自身が録音・録画を拒んだ場合や、使用する機器が故障してしまったといった、やむを得ない事情が挙げられています。こうした状況は、制度の運用上の課題として捉えるべきでしょうが、全体に占める割合は極めて低く、全体としての取り組みの広がりを妨げるものではありません。特に、裁判員裁判の対象事件など、国民の関心が高い重大事件での実施率がこれほど高水準にあることは、冤罪の発生を防ぎ、より信頼性の高い司法を目指すという点で、非常に大きな意味を持つのです。
このニュースが公になった際、SNS上ではこの進展を歓迎する声が多数見受けられました。「やっと透明性が確保されてきた」「冤罪をなくすためにもっと徹底してほしい」といった、刑事司法の公正さに対する期待や要望が飛び交っています。一方で、「拒否した容疑者がいるのはなぜだろうか」「機器の故障は防げないのか」といった、制度の運用面に関する疑問や懸念を示す意見も見受けられ、国民の高い関心がうかがえます。しかし、全体としては、今回の最高検の公表は、日本の刑事司法がよりオープンで公正な方向に進んでいるという、ポジティブなメッセージとして受け止められているといえるでしょう。
編集者として、私自身もこの可視化の進展を強く支持するものです。取り調べの可視化は、捜査機関と容疑者の間の「密室」でのやり取りを明るみにし、冤罪という悲劇を未然に防ぐための、現代社会における必須の手段だと考えられます。2018年度に10万件を超えたという事実は、捜査機関の運用努力の賜物であり、この流れを後退させてはならないでしょう。今後も、すべての事件、すべての過程での可視化が実現に向けて、さらに一歩ずつ前進していくことに期待を寄せています。
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