2019年6月22日、世界中の働く人々の安全と尊厳を守る上で、極めて重要なニュースが飛び込んできました。スイスのジュネーブで開かれていた国際労働機関(ILO)総会において、職場でのハラスメントを全面的に禁止する画期的な条約が、本会議で正式に採択されたのです。この採択は、セクシャルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)といった、あらゆる形態のハラスメントに対して初めて策定された国際的な基準として、大きな歴史的意義を持つ出来事だと言えるでしょう。
この新条約の注目すべき点は、その保護対象の幅広さにあります。単に正規の「労働者」に限定されるのではなく、職業訓練中の「実習生」、職探し中の「求職者」、そして無償で活動する「ボランティア」までもが保護の対象に含まれることになりました。これは、働く環境に関わるすべての人々が、ハラスメントのない安全な場所で活動できるようにすることを目的としているからです。条約の内容には、各国が国内法でハラスメントを禁止し、違反者には然るべき制裁(罰則などのこと)を設けることなどが盛り込まれています。
世界初のハラスメント禁止条約が持つ意味とSNSの反響
この国際基準の成立は、多くの働く人々にとって心強い一歩となるに違いありません。ハラスメントは、個人の人権を深く傷つけ、精神的な健康を害するだけでなく、職場の生産性までをも低下させる深刻な問題です。私見ですが、労働環境の質の向上は、経済活動の持続的な発展にも不可欠であり、今回のILOの決定は、その根幹を支えるものだと強く感じています。各国がこの条約を批准(ひじゅん:国家が条約の内容を正式に受け入れ、国内で効力を持たせる手続き)すれば、その内容に沿って国内の法律を整備することが求められることになります。
SNS上では、このニュースに対して「ようやく世界が動いた」「これは全ての労働者にとって朗報だ」といった歓迎の意見が多く見られました。特に、日本ではセクハラやパワハラに対する意識が高まっている最中ということもあり、「日本の法改正も進んでほしい」「この流れを機にもっと厳しい罰則を設けるべき」といった、国内の制度改正への期待の声も散見されます。しかし、現時点では、この条約の採択が、日本の制度改正の動きに直ちにつながる可能性は低いと見られています。
それでも、職場でのハラスメントを「許されない行為」として国際社会が認識し、法的な拘束力を持たせる枠組みができたことは、非常に大きな進展です。今後の日本の労働関連法規が、この世界的な潮流をどのように受け止め、どのような改正へと進んでいくのか、働く私たち一人ひとりが注目し続けるべき重要なテーマであると言えるでしょう。
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