【データが武器】Facebookの仮想通貨「リブラ」登場で変わる金融!? 巨大IT企業の脅威にBISが鳴らす警鐘とSNSの反響

2019年6月23日、主要国・地域の中央銀行が加盟する国際決済銀行(BIS)は、米国のフェイスブック(Facebook)やアマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、中国のアリババ集団(Alibaba Group)といった巨大IT企業が提供する金融サービスが「新たな難問」をもたらしかねないという警鐘を鳴らすレポートを公表しました。特に、フェイスブックが2019年6月18日に新たな仮想通貨(暗号資産)である「リブラ」(Libra)を公表したことは、この問題意識を一層高める出来事として注目を集めています。リブラとは、法定通貨に価値を裏付けられたステーブルコインとして設計されており、世界中で送金や決済のインフラとなることを目指している仮想通貨のプロジェクトで、その巨大なユーザーベースを持つフェイスブックが主導することで、一気に金融界の勢力図を塗り替える可能性を秘めているのです。

国際決済銀行のレポートでは、巨大IT企業が持つ「データ」という強力な武器に焦点を当てています。これらの企業は膨大な利用者データを基盤とし、決済、資金管理、保険、そして融資といった従来の金融機関の牙城であった分野へ次々と進出している状況を指摘しています。世界的なユーザーの広がりとデータの活用によって、既存の金融界に「急速な変化」をもたらし、一瞬にして市場を支配する「デジタル・ジャイアント」が生まれる可能性があり、既存の金融システムや経済の安定性に与える影響は計り知れない、というのが私の見解です。

SNSでも、この動きに対する関心は非常に高く、「リブラが普及したら銀行の役割はどうなるのか?」「フェイスブックに自分の資産の管理を任せるのは怖い」といった、期待と不安が入り混じった意見が多数投稿されています。また、「発展途上国など、これまで銀行口座を持てなかった人たちにとっては革命的な変化になるかもしれない」といった、金融包摂(フィナンシャル・インクルージョン)の観点からポジティブに捉える声もあります。イギリスの中央銀行であるイングランド銀行のカーニー総裁や、日本銀行の黒田東彦総裁も「リブラ」が金融システムに与える影響を注視していく姿勢を示しており、世界的な金融当局がこの巨大な波にどう対応するのか、今後の動向から目が離せないでしょう。

巨大ITの金融進出がもたらす光と影

巨大IT企業による新たな金融サービスの登場は、良い側面と懸念される側面の「光と影」を併せ持っています。良い側面としては、例えば、銀行口座を持たない人々が多く暮らす地域に基本的な金融サービスを提供できるようになる点や、従来の金融機関では融資を受けにくかった信用リスクの高い借り手に対しても、より少ない担保で融資を実施できるようになる可能性がある点などが挙げられます。これは、データとテクノロジーを駆使することで、金融サービスへのアクセスを広げる「金融包摂」の促進に大きく貢献するものであり、非常に喜ばしい変化であると考えられます。

一方で、国際決済銀行が警鐘を鳴らすように、現在の金融規制では対応しきれない新たな問題が起こりうる懸念もあります。特に、巨大IT企業がその圧倒的なデータ量と利用者数を背景に、特定の市場で支配的な地位を確立してしまうと、公正な競争が阻害されたり、利用者のデータが不適切に取り扱われたりするリスクが顕在化するでしょう。このため、レポートでは、金融規制の枠組みだけにとどまらず、市場における公正な競争を確保するための「競争政策」や、利用者のプライバシーを守る「データ保護」といった、より幅広い領域での政策対応が求められていると強調しているのです。

このような「デジタル・ジャイアント」の出現と、それに伴う金融サービスの変革は、従来の規制のあり方を根本から見直す必要性を突きつけています。既存の「規制区分」や「国境」といった概念に捉われていては、この急速な変化に十分に対応することは困難だと、国際決済銀行は指摘しています。そのため、各国の金融当局、競争当局、データ保護当局などが「国境を越えて」連携し、統一的かつ包括的な手法を確立することが「決定的に重要」になります。これは、国家の垣根を越えた協力体制が、国際的な金融システムの安定と利用者の保護にとって不可欠であることを意味しており、私もこの提言に強く賛同するものです。

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