2019年6月24日、川崎市に拠点を置くロボット技術のベンチャー企業、モーションリブが、家電製品やゲーム機への搭載を見据えた安価な集積回路(ICチップ)の開発に乗り出すというニュースが飛び込んできました。同社が持つ独自の技術は、ロボットがまるで人間の手のように物体を**「柔らかくつかむ」能力を実現するもので、これまで主に高価な産業機械の分野で活用されてきました。この革新的な技術をより身近な消費者向け製品に普及させるため、ベンチャーキャピタルから調達した資金を活用し、チップの価格を大幅に抑え、数千円レベルでの提供を目指しているとのことです。この挑戦は、私たちの日常生活における家電やゲーム機のあり方を一変させる可能性を秘めており、大いに期待が持てるでしょう。
モーションリブが誇る中核技術は、ICチップ「ABCコア」**に集約されています。このチップをロボットに組み込むことで、機械内部のモーターの動きや、流れる電流の情報を詳細に把握し、その力加減を繊細に制御できるようになります。これにより、モーターで動く部分に、人間が物を掴んだり押したりする時の「感触」を持たせることが可能になります。具体的には、この技術を用いれば、デリケートなポテトチップスのような壊れやすい物でも、その形状を保ったまま優しく掴み上げることが可能になるといいます。まさに、「繊細な力加減」を機械に学習させる、画期的なブレイクスルーと言えるでしょう。
この野心的な取り組みを実現するため、モーションリブは先日、慶應イノベーション・イニシアティブ(東京都港区)とDBJキャピタル(東京都千代田区)を引受先とする第三者割当増資を実施し、1億8,000万円という多額の資金を調達しました。この資金は、主に高価格の要因となっていたチップの製造コストを削減し、コンシューマー向け製品への普及を可能にするための技術開発に充てられる見通しです。SNS上では「ポテチを掴めるロボットってすごい!」「これでアーム式のクレーンゲームが優しくなるかも?」「介護や医療分野にも応用できそう」といった驚きと期待の声が広がっており、その応用範囲の広さに注目が集まっていることが伺えます。
ロボットの「柔らかさ」を支えるABCコアの革新性
ABCコアチップが実現する「人間のような柔らかさ」とは、専門的に言えば**「力制御」や「インピーダンス制御」と呼ばれる高度な技術が関わっています。これは、従来のロボットが主に「位置」を正確に決めること(位置制御)に注力していたのに対し、「どのくらいの力で触れるか」「どれくらいの反発力を許容するか」といった「力」や「柔らかさ」を意図的に制御する手法です。この技術が安価なICチップに組み込まれることで、今まで高額なセンサーや複雑なシステムが必要だった「器用さ」が、一般的な家電やゲーム機にもたらされることになるでしょう。例えば、シェフのように食材を優しく扱う調理ロボットや、ユーザーの動きに寄り添うように反応する次世代のゲームコントローラーなどが実現し、私たちの生活の質(QoL)を向上させる鍵となるでしょう。
この技術が、手の届きやすい価格帯で市場に投入されれば、ロボット技術の民主化が一気に進むと、私は考えています。高精度な力制御技術は、産業用ロボットの自動化推進だけでなく、家事や育児をサポートするホームアシスタントロボット**、リハビリテーションを支援する医療・介護機器など、様々な分野でのイノベーションを加速させるでしょう。特に、人との協調作業が求められる場面で、**「優しさ」と「安全性」**を両立できるモーションリブのABCコアは、間違いなく次世代のロボットのスタンダードを形作る存在になるはずです。
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