📚【人生100年時代を生き抜く力】社会人の「学び直し」がもたらす再就職と心のゆとりとは?

社会人が再び学びに挑む「リカレント教育」は、今やシニア層だけでなく、現役世代にとっても極めて重要なキーワードとなっています。人生が「100年時代」と呼ばれるようになった今、新しい仕事に挑戦したり、日々の生活をより豊かにしたりするためにも、学び続ける力は必須でしょう。もちろん、これから社会へ羽ばたこうとする就職活動中の若者たちも、このテーマについて共に考えるべきだと思います。

一般的に、学び直しというと、時間的・金銭的な余裕があるシニア世代の専売特許のように捉えられがちです。しかし、実際は全くそうではありません。以前、大学で開催された「リカレント教育」に関するシンポジウムに参加した際、大変示唆に富む体験談を聞くことができました。それは、子育てなどを機に一度は家庭に入った女性が、再度大学で学び直したことで、再就職を果たし社会へと復帰したというお話です。

この女性たちが大学での学習を通じて得たメリットは、単に就職の機会を掴んだことにとどまりません。講義に出席することで新たな友人ができ、交流の輪が広がった結果、将来のキャリアや生き方について意見を交換できる場を持つことができたそうです。また、久々に外の世界に出て学びを得たことで、家庭内の会話が増え、心にゆとりが生まれたといいます。育児や家庭を支える役割は想像以上の重圧を伴うものですから、ご家庭の理解を得て大学に通い、自らの視野を広げる機会を得たことは、本当に素晴らしいことだと感じました。

こうした女性たちのエピソードを聞くと、深い感銘を受けます。例えば30代、40代、50代と人生経験を重ねてきたからこそ、学び直しを通じて初めて見えてくるもの、感じ取れるものが必ずあるのです。この経験が、その後の家庭や職場での時間を、さらに充実させるきっかけになることを願ってやみません。

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経験が活きる学び直しの価値

私自身の経験からも、学び続けることの重要性を痛感しています。長年記者として活動した後、テレビのニュースキャスターへ転身し、さらにその後、子どもたちに向けてニュースを分かりやすく解説する「週刊こどもニュース」を担当することになりました。記事を「書く」技術と、テレビで「話して伝える」技術は、全く異なる能力が求められます。当時は私にとって非常に大きな環境の変化でしたので、「どうすれば視聴者に最も伝わりやすく解説できるのか」という新たな手法を学ぶための試行錯誤の連続でした。あのときの体験があったからこそ、今の私があるのだと思っています。

さらに言えば、人間にとっての生きがいのひとつは、自ら働き、生活の糧を得ることではないでしょうか。健康で、意欲さえ持続する限り、それは何歳になっても変わらない人生の重要な要素だと思います。自分自身の役割を広げ、社会との接点を持ち続けるためにも、「リカレント教育」は欠かせないステップとなるでしょう。

この「学び直し」は、2019年6月24日付の日本経済新聞電子版のコラム記事として掲載されました。この記事に対してSNS上では、「キャリアチェンジを考えている自分にとって励みになった」「人生100年時代、いつからでも学びは必要だと再認識した」「子育てがひと段落したら、私も大学に戻りたい」といった、現役世代や子育て層からのポジティブな反響が多く寄せられています。

グローバル社会で求められる学びの力

私が2016年のアメリカ大統領選挙の現地取材に訪れた際、ある地域の厳しい現実を目の当たりにしました。かつては地域経済の柱であった製造業などが国際的な競争力を失った結果、多くの失業者を抱えることになっていたのです。意欲があり、健康にも問題がないにもかかわらず働くことができない人々の苦しみは、想像を絶するものだったに違いありません。

「グローバル化」とは、国や地域が常に世界規模の競争にさらされ、技術革新の大きな波に飲み込まれていくことです。これは決して、日本だけが無関係でいられる状況ではありません。変化の激しい現代社会において、働き続け、充実した人生を送るためには、新たな知識や技術を自ら身に付けていくことが不可欠です。この学び続ける力こそが、長い人生を歩み続けるために備えるべき、最も重要な力になってくれることでしょう。学び直しは、若者にも人生や仕事の経験を積む機会を与えてくれる、かけがえのない財産だと思います。

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