🤖人が激減!人手不足解消の切り札「協働ロボット」が変える日本の製造業とサービス業の最前線

深刻化する人手不足を背景に、産業界でロボットの活用が急速に広がり、特に「協働ロボット」が注目を集めています。従来の産業用ロボットは、作業中に人間と接触する危険を避けるために周囲に安全柵の設置が義務付けられていましたが、規制緩和などにより、人と並んで作業ができる協働ロボットの活躍の場が拡大しているのです。これからは、職場の「同僚」としてロボットが存在することが珍しくない時代が到来するでしょう。

この流れを象徴するのが、株式会社エイチ・アイ・エス(H.I.S.)グループが展開する「変なホテル」です。これは世界初のロボットが主要な業務を担うホテルとして、次々に開業しています。「変なホテル東京 銀座」では、本物の人間と見間違えるほど精巧な2体の女性型ヒューマノイドロボットが受付業務を担当。このほかにも、入退館手続き、客室の清掃、窓拭きに至るまで、様々な場面でロボットを活用しています。これにより、98室という客室数でありながら、同規模の一般的なホテルと比べて約4分の1となる7人前後のスタッフで運営が実現できているといいます。

2017年3月に千葉県浦安市で1号店がオープンして以来、福岡・博多、大阪・心斎橋、そして2019年3月には京都駅からも徒歩2分という好立地に新ホテルを開業するなど、現在(2019年6月)までに国内外で11棟を運営している状況です。H.I.S.グループは、「ロボットとシステム導入によって世界一のローコストオペレーションを達成したい」という考えから、今後も積極的に海外展開も視野に入れているようです。ネット上では「未来的な体験ができて面白い」「人件費が抑えられている分、価格もリーズナブル」といった肯定的な反響も多く、注目度の高さが伺えるでしょう。

ホテル事業だけでなく、H.I.S.グループは、東京・渋谷でロボットが本格的なドリップコーヒーを淹れる「変なカフェ」も展開しています。ここでは、人間の隣で安全に作業が可能な「ソーヤー」という協働型ロボットが、注文に応じてコーヒーカップを掴んでバリスタマシンにセットし、ドリップコーヒーを淹れて顧客のもとへ運んでくれるのです。本格ドリップコーヒーは3~4分で提供され、「その辺の人間よりうまく淹れますよ」などとジョークを交えながら顧客を笑顔にしています。人間が担当するのは、コーヒー豆の補充や不具合発生時の対応などに限定されており、大幅な人件費の削減に繋がっています。「カフェというよりゲームセンターのようだが、味は確かでおいしかった」など、ネットでの評価も上々で、ロボットによるサービス提供は顧客体験としても満足度が高い様子が窺えます。

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製造現場における協働ロボットの革新と生産性向上

店舗などのサービス業にとどまらず、製造現場でも協働ロボットがその真価を発揮し始めています。例えば、産業用ロボット大手の安川電機は、北九州市の本社内にあるロボット工場の製造ラインに協働型ロボットを導入しました。具体的には、ロボットが部品にシール材を塗り付ける作業を行い、それを隣にいる作業員が受け取って組み立て作業を進めるという、まさに人間とロボットが「二人三脚」で工程を分担しているのです。このロボット本体を組み立てる前工程に、2019年5月下旬から5台の協働ロボットを導入した結果、それまで作業員10名で1日あたり33台だった生産台数が、導入後に約1.5倍の50台へと大きく増加しました。これは、協働ロボットが、安全性と生産性の両立を可能にすることを示す好事例といえるでしょう。

協働ロボットの本体価格は一般的に1台数百万円程度で、同程度のサイズの一般的なアーム型産業用ロボットと比べると割高な傾向にあります。しかし、専門的な知識を持たない人でも比較的容易に扱える機種が多いという利点を持っています。このため、これまで自動化が困難とされてきた、手作業が多い食品や日用品の工場、人手確保に苦悩する飲食店など、幅広い現場への導入が進んでいます。調査会社の富士経済によりますと、国内の協働ロボット市場は、2017年の実績と比較して2025年までに15倍の1000億円規模にまで拡大すると予測されています。また、世界市場においては、2025年までに5900億円に達する見通しであり、その成長性は非常に高いと見て良いでしょう。

この協働ロボットの市場は、大手企業による参入や連携も加速しています。産業分野では、2017年に化粧品大手の資生堂が一部工場に協働型ロボットを導入しています。また、産業用ロボット世界大手のファナックは、2018年2月に協働ロボットのスタートアップ企業であるライフロボティクス(東京・江東)を買収しました。さらに、スタートアップのプリファード・ネットワークス(東京・千代田)と協業し、AI(人工知能)が完成品の良否を自ら判断できる協働型ロボットを開発するなど、最先端技術の融合も進んでいる状況です。加えて、川崎重工業は、スイスのABB社と協働型ロボットの操作画面の共通化などで協力するなど、業界全体で連携を深めており、技術の普及と標準化が進むことが期待されます。

協働ロボットが、人手不足という喫緊の課題への有効な解決策となることは疑いようがありません。人間とロボットが安全に共存し、それぞれの得意分野を活かしながら生産性を高めていくという新たな働き方は、日本の製造業およびサービス業の未来を形作る重要な鍵となるでしょう。専門的な知識がなくても導入できるロボットが増えることで、中小企業や、これまで自動化を諦めていた現場にもテクノロジーの恩恵が広がることを強く期待しています。

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