朝活トレンドが追い風!急成長する「朝外食」市場の魅力と外食チェーンの最新戦略

毎日の朝食を自宅ではなく、あえて街の中で楽しむ人々が今、急速に増えています。マーケティング調査会社であるエヌピーディー・ジャパン株式会社のデータによると、2019年の外食・中食における朝食市場は前年を大きく上回り、なんと5年連続で規模を拡大する見通しとなりました。この驚異的な成長の背景には、仕事と育児を両立する共働き世帯の増加や、労働環境を見直す「働き方改革」に伴う朝型ライフスタイルへのシフトが挙げられます。

SNS上でも「出勤前にカフェで過ごす時間が最高のモチベーション」「家事を減らせて心のゆとりが生まれた」といったポジティブな声が数多く飛び交っています。このように利便性と充実感を同時に満たしてくれる朝の外食は、現代人の新しい定番として定着しつつあるのでしょう。夜の営業が主軸だった居酒屋業界や、お馴染みのファストフード店もこの一大トレンドに注目し、魅力的な朝限定メニューを次々と投入して激しいシェア争いを繰り広げています。

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本格派ビールバーが提案する新しい朝の風景

東京の下北沢駅構内にある商業施設では、午前8時から香ばしい焼き立てパンの香りが漂っています。おしゃれなバーカウンターが目を引く「シュマッツ・ベーカリー&ビア下北沢」は、ドイツ料理とビールで人気のブランドが2019年11月にオープンした新業態の店舗です。これまでは夕方以降のディナータイムが収益の柱でしたが、本格的なベーカリーを併設することで、平日の出勤前に立ち寄る会社員たちの心をしっかりと掴みました。

運営会社のトップは、パンの販売によって朝と昼の新たな需要を貪欲に開拓したいと意気込みを語っています。さらに、朝食という強力なコンテンツを手に入れたことで、従来のビアホール形態では進出が難しかったエリアへの出店も可能になりました。このように「夜の街」のイメージが強い飲食店が、朝の時間帯に新たな活路を見出す動きは、今後も業界全体へ波及していくに違いありません。

ファストフード大手が仕掛ける朝のメニュー刷新

朝食市場の争奪戦において、お馴染みのファストフードチェーンも負けてはいません。牛丼大手の吉野家では、2019年3月から8月期における早朝から午前中にかけての客数が、過去2年間で2桁近くも伸びる大躍進を記録しました。2019年は大々的な割引キャンペーンを実施していないにもかかわらず客数が増加しており、定額でおかずが豊富に揃う「一汁三菜朝膳」の投入が見事に実を結んだ形です。

一汁三菜とは、主食に汁物と3つのおかずを組み合わせた、栄養バランスに優れた日本伝統の献立スタイルを指します。朝からしっかり健康的な食事を摂りたいという、現代人のニーズを的確に捉えた素晴らしい戦略だと評価できるでしょう。また、日本マクドナルドも朝限定の季節商品を展開するほか、2019年10月には定番のコーヒーを食事に合うすっきりとした味わいへリニューアルし、通勤客の囲い込みを強化しています。

夜型から朝型へシフトする消費者のライフスタイル

なぜこれほどまでに朝の外食が支持されているのでしょうか。最大の要因は、出勤前の貴重な時間を効率的に使いたいというタイムパフォーマンスへの意識です。仕事の前に資格勉強や趣味を楽しむ「朝活(あさかつ)」に励む人々にとって、飲食店は格好の活動拠点となっています。2018年秋に誕生した日本橋高島屋新館では、早朝営業を行う店舗の利用客数が開業当初から倍増しており、その購買率は驚異の9割を超えています。

若者のアルコール離れや職場での宴会縮小により、夜間の営業をメインとする居酒屋やバーは非常に苦しい経営を強いられているのが現状です。だからこそ、消費者のライフスタイルの変化に寄り添い、朝の需要へと舵を切る戦略は極めて合理的だと言えます。単に利便性を追求するだけでなく、一日の始まりを豊かに演出してくれる朝食市場は、これからも私たちの食生活をより鮮やかに彩ってくれるはずです。

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