四国や中国地方を中心に地域密着型の店舗展開を続けている大手スーパーの「フジ」が、2020年2月期の業績予想を下方修正したことを2020年1月8日に発表しました。当初の計画から連結純利益を9億円引き下げ、前年と比べて30%減となる51億円にとどまる見通しです。本業の儲けを示す営業収益も、25億円下振れした3130億円になる模様で、厳しい経営環境が浮き彫りになりました。
今回の苦戦を強いる要因となったのは、2019年10月1日に実施された消費税率の引き上げです。増税に伴う買い控えが起こったほか、同業他社との顧客獲得レースが激化したことで、既存店の売り上げが思うように伸びませんでした。さらに、集客を維持するために実施した商品の値下げや、独自のポイント還元施策が裏目に出てしまい、商品の売上高に対する利益の割合を示す「利益率」が低下したことも大きく響いています。
一方、同日に開示された2019年3月1日から2019年11月30日までの9カ月間の連結決算を見てみると、純利益は前年の同じ時期と比べて15%増の36億円を確保していました。営業収益も2326億円と微増を維持していただけに、秋以降の消費環境の急激な冷え込みが、いかに同社の経営にブレーキをかけたかが分かります。足元の業績は底堅かったものの、増税の波を乗り越えるのは容易ではなかったようです。
このニュースを受けてSNS上では、「増税後に買い物の回数を減らしたから納得の結果」「いつも利用しているスーパーなので応援したい」といった消費者のリアルな声が飛び交っています。また、「ポイント還元合戦は体力を削り合うだけなのでは」という、流通業界の行く末を懸念する鋭い意見も目立ちました。生活に身近なスーパーの話題だけに、ネット上でも非常に高い関心が寄せられている印象を受けます。
私個人の見解といたしましては、今回の下方修正はフジ1社だけの問題ではなく、小売業界全体が直面している構造的な課題を象徴していると感じます。目先の集客のための安売りやポイント施策は、一時的な特効薬にはなっても長期的な利益を圧迫するリスクを孕んでいるでしょう。今後は価格競争から脱却し、地域特性に合わせた独自の品揃えや、ファンを増やす店舗作りにシフトしていくことが生き残りの鍵になるはずです。
コメント