九州や沖縄の経済を支える地元企業が、今まさに重大な岐路に立たされています。民間調査機関である帝国データバンク福岡支店が2020年1月10日に発表したデータによると、2019年時点で後継者が「いない」と答えた企業の割合が62%に達したことが判明しました。この数字は2018年の前回調査から1ポイント上昇しており、過去最高の不在率を塗り替える事態となっています。日本全体でみると減少傾向にある中で、この地域独特の深刻さが浮き彫りになりました。
特に厳しい状況に直面しているのが、私たちの生活に身近な産業です。業種別に内訳を見ていくと、サービス業や建設業が67%、不動産業が66%と、いずれも高い水準で後継者が不足していることが分かります。インターネット上のSNSでもこの結果は大きな波紋を広げており、「地元の名店や信頼できる建設会社が消えてしまうかもしれない」といった、将来を不安視する声が数多く寄せられていました。地域の雇用を守るためにも、早急な対策が求められています。
今回の調査で最も衝撃的だったのは、県別で見たときの沖縄県の数字でしょう。沖縄の後継者不在率はなんと83%に達しており、全国47都道府県の中で最も高いワースト1位を記録してしまいました。これに大分県の69%、福岡県の67%が続く形となっており、九州・沖縄エリア全体へ危機感が広がっています。沖縄は観光業などが盛んで活気があるイメージですが、足元の企業経営では次の世代へのバトンタッチが極めて難航しているようです。
事業承継の壁を乗り越えるために必要な視点とは
ここで重要となるキーワードが「事業承継(じぎょうしょうけい)」です。これは会社の経営権や理念、資産を次のリーダーへ引き継ぐ手続きを指しますが、単に親族へ会社を譲るだけでなく、最近では社内の優秀な人材や外部の第三者へ引き継ぐケースも増えています。ビジネスの存続には不可欠なプロセスであるものの、日々の業務の忙しさやマッチングの難しさから、後回しにされがちなのが現状と言えるでしょう。
私はこの結果に対して、従来の「親から子へ」という枠組みにとらわれない柔軟な支援体制が必要だと考えます。少子高齢化が進む現代において、親族内だけで後継者を探すことには限界がきているのではないでしょうか。今後はM&A(企業の合併・買収)をポジティブに活用し、意欲ある若手起業家や他企業に経営を託す文化を地域全体で育むべきです。魅力ある事業を次世代へ残すため、行政や金融機関の手厚いサポートが期待されます。
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