2020年1月3日、世界の金融市場に大きな激震が走りました。米国によるイランの軍司令官殺害という衝撃的なニュースを受け、これまで市場を包んでいた楽観的なムードが一転して緊迫感に包まれています。米イラン関係の悪化を恐れた投資家たちが、一斉にリスクの低い資産へ資金を避難させ始めたためです。この突然のサプライズに、新年の高揚感に沸いていた市場参加者は一気に警戒態勢へとシフトしており、中東情勢の行方を固唾をのんで見守る状況が続いています。
SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散され、多くの関心を集めました。「年明け早々からとんでもない事態になった」「保有している株を一度売却すべきか悩む」といった、先行きを不安視する個人投資家のリアルな声が相次いで投稿されています。さらに「ガソリン代がまた値上がりするのではないか」という生活への影響を懸念するツイートも目立ち、市場の動揺は一般の消費者にまで広がっている印象です。まさに世界中がこの緊迫した瞬間に注目しています。
米国・欧州株が全面安!市場を襲ったリスク回避の波
この日、これまで最高値圏を維持していた米国の株式市場は大きな売り圧力にさらされました。代表的な株価指標である「ニューヨークダウ工業株30種平均」は、取引時間中に一時、前日と比べて350ドルも値下がりする場面を記録しています。最終的な終値も233ドル92セント安の2万8634ドル88セントとなり、厳しい下げ幅で取引を終えました。投資家たちが、損失を防ぐために株式などの危険資産を売却する「リスク回避」の動きを強めた結果と言えます。
この下落の波は米国にとどまらず、先行して取引が行われていた欧州の株式市場にも直撃しました。ヨーロッパを代表する主要な株価指数である「ユーロストックス50」が一時、前日比で1%を超える下落を見せるなど、欧州市場はほぼ全面安の展開を迎えています。米軍によるイラン司令官への攻撃という一報は、それまで好調を維持していた世界的な株高のトレンドを力ずくで引きずり下ろし、市場全体の空気をガラリと変えてしまいました。
原油価格が急騰!安定供給への不安と「WTI」の動向
中東地域のリスクが高まると、真っ先に影響を受けるのがエネルギー市場です。原油の生産や流通が滞るかもしれないという「安定供給への懸念」から、原油の先物価格は急激に跳ね上がりました。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、主要な指標である「WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)」の2月物価格が、前日比で5%も高い1バレル64.09ドルまで急騰し、2019年4月以来の高値水準を記録しています。
ここで使われる「WTI」とは、米国テキサス州付近で産出される質の高い原油のことで、世界の原油価格の基準となる重要な指標です。また「先物価格」とは、将来の特定の期日に、あらかじめ決めた価格で売買することを約束する取引の値段を指します。中東は世界のエネルギーの供給源であるため、同地域での武力衝突の恐れが強まると、将来的な原油不足を恐れてこの先物価格が急上昇するのです。今回の急騰は、まさにその典型的な反応と言えるでしょう。
安全資産の「金」へ資金が流入!今後の世界経済はどうなる?
株価が下落し原油が暴騰する一方で、投資家たちが資金の逃避先として選んだのが「金(ゴールド)」でした。ニューヨーク商品取引所(COMEX)における金先物相場は、中心となる2月物が一時1.8%高となり、約4カ月ぶりの高値を更新しています。金は債券や通貨とは異なり、それ自体に普遍的な価値があるため、戦争や大規模な政情不安が起きた際にも価値が目減りしにくい「安全資産(安住の地)」として、昔から世界中の投資家に愛されてきました。
今回の事態に対し、私は市場の楽観主義へ冷や水が浴びせられたと感じています。2020年の世界経済は緩やかに回復するという見方が大勢を占めていましたが、地政学的リスクという不確定要素が突如として最前線に躍り出ました。エネルギー価格の上昇は世界的な物価高を招き、企業の景気を冷え込ませる危険性を秘めています。投資家は目先の株価の上下に惑わされず、米イランの報復の応酬がどこまでエスカレートするのかを慎重に見極めるべきです。
コメント