🔥参院選直前!野党の「切り札」不発で国会閉幕:なぜ内閣不信任案は衆参同日選の恐怖に勝てなかったのか?

2019年6月26日に第198回通常国会が閉幕し、与野党は「7月4日公示、21日投開票」の第25回参議院議員通常選挙へ突入いたします。しかし、野党にとって最大の攻防戦となるはずだった内閣不信任決議案の提出は、会期末ぎりぎりの6月25日に衆議院本会議で否決され、「切り札」は不発に終わってしまいました。この結果、国会は大きなヤマ場を迎えることなく閉幕し、参院選前の野党側の守勢が際立つ形となりました。

内閣不信任案は、内閣の信任に関わる重要案件を定める「日本国憲法第69条」に基づき、衆議院にのみ認められた、内閣を総辞職させるか衆議院を解散させるかの二者択一を迫る強力な手段です。立憲民主党など野党5党派が提出した今回、立憲民主党の枝野幸男代表は趣旨弁明の中で、政府・与党が「年金が100年安心」と説明してきたことに対し、「一人ひとりの国民にとって年金が100年安心であるかのごとき印象操作だ」と厳しく批判されました。この発言は、国民の不安を煽る表現であるとしてSNSでは賛否が分かれ、「まさにその通り」と共感する声とともに、「具体的な対案がない」といった批判も見受けられました。

しかし、枝野代表の演説は55分間に留まり、2018年の内閣不信任案を巡る演説が衆議院史上最長となる2時間43分に及んだ勢いを欠いた印象は拭えません。そもそも、枝野氏が当初検討していた会期末の6月26日に提出していれば、国会が終わる27日未明まで長時間演説を続け、残る政府提出法案を継続審議の手続きに進ませず、廃案に追い込む可能性もありました。この長時間演説は、米議会におけるフィリバスター、すなわち議事進行を妨害する行為の一種で、野党の切り札の一つです。

それでも野党が「日程闘争」、つまり会期末ぎりぎりまで審議を求めて時間を稼ぐ戦術を断念したのは、安倍晋三首相による「衆参同日選」という強力なカードを過度に警戒したためでしょう。衆参同日選とは、衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙を同じ日に行う選挙戦術です。与党側は、内閣不信任案の提出を衆議院解散の「大義名分」とする考えを示しており、衆議院選挙の準備が遅れていた野党側には強い動揺が広がっていました。

また、自民党の森山裕国会対策委員長は、フランスのマクロン大統領来日という外交日程を理由に、野党側に不信任案提出の見送りを求めていました。6月26日に本会議が重なれば、G20大阪サミット(20カ国・地域首脳会議)前の首脳外交が混乱する恐れがあったのです。野党側は、政権を過度に刺激し、衆院解散を招く事態を避けたいという思いが強かったに違いありません。森山氏は、野党幹部に対し「不信任案提出は解散になりかねない」と警告していたことからも、与党側の同日選カードが野党の動きを鈍らせる決定打となったと言えるでしょう。

スポンサーリンク

🔍野党の「反対だけの無責任」批判への懸念

今回、野党が動議提出に及び腰になったのは、衆参同日選の警戒心だけでなく、国民からの「反対ばかりで、責任ある対案がない」という厳しい批判を懸念したためでもあります。野党の一部からは、「反対だけの無責任野党」というレッテルを貼られることへの懸念があったのです。このため、10月の消費税率10%への引き上げを巡っても、立憲民主党や国民民主党、共産党が「凍結・中止」の立場では一致していたにもかかわらず、増税を延期・中止する法案を今国会に提出することを見送りました。

これは、増税延期・中止法案を提出することで、「野党の増税反対に対抗するために解散する」と首相に口実を与えかねないという、ここでも解散への警戒心が働いたと見るべきです。2019年度予算が既に執行されている状況で、予算の修正や新たな財源を示す必要性があるため、無責任との批判を避けることは、野党にとって重要な要素だと考えられます。

このような状況から、私の編集者としての見解を申し上げますと、野党は衆参同日選というリスクを恐れるあまり、内閣への厳しい追及という最大の責務を十分に果たせなかったのではないでしょうか。内閣不信任案は、国民の関心が高い年金問題など、政府の姿勢を問う絶好の機会であったはずです。野党が政権の出すカードに振り回されることなく、毅然とした態度で国民の負託に応える姿勢を示すことこそ、参院選を戦い抜くうえで必要なことでしょう。国民の視点から見ても、野党には政権への警戒心からくる「守りの姿勢」ではなく、有権者の心を動かす「攻めの議論」を期待したいものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました