青函トンネルが物流の未来を変える!JR北海道と佐川急便が挑む「貨物新幹線」の衝撃と札幌延伸への大逆転劇

日本の物流と高速鉄道の歴史に、新たな1ページが刻まれようとしています。JR北海道が、新幹線の圧倒的なスピードを生かして荷物を運ぶ「貨物新幹線」の実現に向け、2020年中にも佐川急便と共同で実証実験を開始することが決定いたしました。この夢の計画の舞台となるのは、本州と北海道を結ぶ海の底の道、青函トンネルです。少子高齢化による人手不足が深刻化する宅配業界において、この試みはまさに救世主となる可能性を秘めており、SNS上でも「ついに新幹線で荷物を運ぶ時代が来た」「未来の物流の形だ」と大きな期待が寄せられています。

今回の実証実験は、新函館北斗駅から新青森駅の間で実施される予定となっています。輸送する具体的な品目の選定はこれから進められますが、函館の近くで水揚げされたばかりの新鮮なイカや魚介類などが有力な候補として浮上してきました。いくら運送費用が割高になったとしても、抜群の鮮度を保ったまま一刻も早く市場へ届けたいという高級食材の需要は非常に大きいと見込まれているからです。一方で、普段からJR貨物が大量に運んでいるジャガイモや玉ねぎといったお野菜は、コストが見合わないため今回の対象からは外される見通しです。

スポンサーリンク

青函トンネルに潜む「時速160キロメートル」の壁とは

なぜ、わざわざ新幹線で荷物を運ぶ必要があるのでしょうか。その理由は、北海道新幹線が抱える「速度低下」という切実な問題に隠されています。現在、青函トンネル内では新幹線と従来の貨物列車が同じ線路を共有して走行している状態です。もし新幹線が本来の猛スピードのまま貨物列車とすれ違うと、激しい風圧によって貨物側のコンテナが変形したり、中の荷物が崩れたりする危険性が指摘されてきました。そのため、JR北海道はトンネル内での最高速度を時速160キロメートルという本来よりも遅いスピードに制限せざるを得ないのです。

この速度制限の解除こそが、未来の鍵を握っています。およそ10年後となる2030年度には、北海道新幹線が待望の札幌駅まで延伸される計画が進んでいるからです。東京から札幌までの区間を、航空便に対抗できる「4時間半」という驚異的な時間で結ぶためには、この青函トンネルでの減速問題を解決することが絶対に欠かせません。JR北海道の島田修社長は、2019年秋にトンネル内での速度向上テストを行ったことを明かした上で、2020年中には実際の営業列車を使ったより実践的な試験に踏み出す意向を示しており、その本気度が伺えます。

異業種タッグで目指す赤字脱却と2031年度への反転攻勢

新幹線の高速化と物流の効率化を同時に達成できる貨物新幹線は、まさに理想的な解決策と言えるでしょう。しかし、駅に到着した後の「最後の配達」を担うトラックなどを持たない鉄道会社単独では、この仕組みを形にすることは困難を極めます。そこで手を挙げたのが、物流大手の佐川急便でした。実は両社には、2019年4月1日から稚内と幌延の間で地元のハイヤー会社を交え、旅客列車に宅配便の荷物を一緒に載せて運ぶ「貨客混載(かきゃくこんさい)」をスタートさせた実績があり、2019年12月には国土交通大臣から表彰も受けています。

私は、この異業種の強力なタッグこそが、JR北海道を長年苦しめてきた巨額の経営赤字を埋める起死回生の一手になると確信しています。2018年度における北海道新幹線の営業赤字は95億円に達しており、会社全体の赤字の2割以上を占めるお荷物状態でした。しかし、この貨物新幹線が軌道に乗れば、2031年度に掲げる経営自立への道がはっきりと見えてくるはずです。利害関係者が多く一筋縄ではいかない巨大事業ですが、札幌延伸時に最高のスタートを切るためにも、今から官民が一体となって確実なレールを敷いていくべきでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました