アマゾンに負けない!米小売業がマイクロソフトと挑む最新IT店舗への大逆転劇

アメリカの小売業界で、ネット通販の巨人アマゾン・ドット・コムに対抗する新しい動きが活発になっています。ドラッグストア大手や老舗百貨店のノードストロームといった企業が、お客さまを再び実店舗に呼び戻すために最先端のIT、つまり情報技術への投資を急速に拡大しているのです。数年前には多くの有名小売店が経営破綻に追い込まれ、業界の秩序崩壊を意味する「リテール・アポカリプス」という言葉が飛び交いました。しかし、現在の店舗はその危機を乗り越え、驚くべき変貌を遂げつつあります。

SNS上でもこの変化は大きな話題を集めており、実際に新しい店舗を訪れた人々からは「未来の買い物体験みたいでワクワクする」「ネット通販にはない楽しさがある」といった好意的な声が多数寄せられている状況です。特に注目されているのが、大手ドラッグストアの「ウォルグリーンズ」がニューヨーク市内の店舗で導入した画期的な飲料コーナーでしょう。一見すると普通の冷蔵庫ですが、その扉の表面には鮮やかなディスプレーが組み込まれており、近づくことで中の商品画像が浮かび上がる仕組みです。

このディスプレーは、お客さまが商品を取り出して扉を閉めると、すぐにお薦め商品の広告へと切り替わります。これは店舗の魅力を高めるためのデジタルサイネージと呼ばれる電子看板の一種であり、買い物へ新たな楽しさを提供してくれるでしょう。同社は、マイクロソフトが出資するシカゴの新興企業と手を組み、1年前から実験を進めてきました。顧客の反応が非常に好評だったため、2020年中には全店舗の約4分の1に相当する2500店舗へとこのシステムを導入する計画です。

2020年1月14日までニューヨークで開催されていた小売見本市には、マイクロソフトの最高経営責任者であるサティア・ナデラ氏も登壇しました。ナデラ氏は世界の上位小売企業100社のうち、なんと92社が自社のクラウドサービス、つまりインターネット経由でデータやシステムを利用する技術を活用している実績を強調しています。ウォルマートやGAPといった名だたる大企業との大型提携も目立っており、アマゾンという巨大な共通の敵を前に、小売業とIT企業による強力な同盟が結ばれていると言えます。

かつて2017年にはトイザラス、2018年にはシアーズといった名門企業がアマゾンの躍進によって破産へ追い込まれました。さらに、人工知能を用いてレジ待ちをなくした無人コンビニ「アマゾン・ゴー」の登場は業界を震撼させています。こうした背景から、既存の小売各社は自分たちと競合しない強力な技術パートナーとしてマイクロソフトを選んだのです。私は、この動きこそが単なる防衛策ではなく、リアルな店舗だからこそ提供できる価値をデジタルで最大化する素晴らしい挑戦だと考えています。

また、百貨店のノードストロームが2019年10月にニューヨークにオープンした旗艦店でも、最新技術が人々を魅了しています。化粧品売り場には、拡張現実を意味する「AR」の技術を活用し、鏡の前に立つだけで実際に口紅を塗ったような画面を表示できるシステムが導入されました。これにより、お客さまは手を汚さずに何色もの試着を体験できるでしょう。ネット注文した商品をスムーズに店頭で受け取る仕組みも完備されており、まさにデジタルとリアルの融合が実現しています。

あるIT企業の幹部が語るように、アマゾンの脅威が結果として小売業界全体のレベルを引き上げ、既存企業を次のステージへと突き動かしているのは間違いありません。ただ便利さを競うだけでなく、お店に足を運ぶこと自体のワクワク感をITで演出するこの取り組みは、これからの買い物のあり方をポジティブに変えていくはずです。大企業のプライドをかけたこの大逆転劇からは、今後も目が離せそうにありません。

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