🌍緊迫のG20大阪サミット!世界経済を揺るがす「7つのリスク」と保護主義の波

2019年6月28日から29日にかけ、日本で初めての開催となるG20大阪サミットが幕を開けます。この20カ国・地域首脳会議は、米国と中国の貿易摩擦、台頭するポピュリズムなど、世界が直面する激動の時代において、各国リーダーたちが進むべき道を示す重要な機会となるでしょう。議長国として舵取りを担う日本の役割にも、国際社会の大きな注目が集まっています。FT(フィナンシャル・タイムズ)のチーフ・エコノミクス・コメンテーターであるマーティン・ウルフ氏は、保護主義的な主張を掲げるドナルド・トランプ米大統領の姿勢が、グローバル経済の根幹を変えつつあると警鐘を鳴らしています。トランプ大統領は就任式で「保護主義が繁栄と強さにつながる」と宣言し、特に中国への貿易戦争を通じて、その言葉を現実にしています。ルールに基づいた開かれたグローバル経済が危機に瀕する中、他のG20参加国は、この状況を傍観するしかないのでしょうか。

現在の世界経済の状況は、決して楽観できるものではないとマーティン・ウルフ氏は指摘しています。英調査会社コンセンサス・フォーキャストの予測によれば、2018年1月時点で3.1%と見込まれていた2019年の世界経済成長率は、今年5月には2.8%まで下方修正されました。この緩やかな減速に加えて、世界経済をさらに下振れさせる7つのリスクが存在すると分析されています。SNS上では「世界経済は思ったより深刻だ」「G20で具体的な解決策は出るのか」といった、経済の先行きに対する不安と、国際協調への期待が入り混じった声が、多数見受けられます。

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世界経済の安定を脅かす7つの深刻なリスク

第1のリスクは過剰な債務です。2008年の金融危機以降、高所得国のGDP(国内総生産)に対する負債総額の比率は安定傾向にありますが、負債の持ち主が金融機関や家計から、事業会社や政府へとシフトしました。特に事業会社の債務増加は世界的な現象であり、OECD(経済協力開発機構)は直近の経済見通しで、「債務の質は悪化しており、金融面の緊張が発生する可能性がある」と指摘しています。中国における債務の急増も、懸念を増幅させる要因です。

第2のリスクは長期停滞の懸念です。長期・短期、名目・実質の金利が極めて低い水準にあることは、経済にとって一見すると恩恵のように思えます。しかし、同時に大きな災いの元でもあります。なぜなら、景気が悪化した際に中央銀行が伝統的な金融政策、例えば利下げなど、で景気浮揚を図る余地が限られてしまうからです。これは、経済が低成長から抜け出せない状態が続くことを示唆しており、各国にとって深刻な課題でしょう。

第3のリスクは、世界各地で台頭するポピュリズムです。経済格差の拡大、移民の増加、そして金融危機の影響の長期化といった背景から、高所得国を中心にポピュリスト的な政治運動が目立つようになりました。これは政治と経済の不安定化を招いています。米国ではトランプ大統領が保護主義を掲げ、英国ではEU(欧州連合)離脱の決定に繋がり、イタリアでもポピュリズム政権が誕生しました。さらにブラジル、メキシコ、トルコなどでも、ポピュリスト的な手法を取る指導者が権力を掌握している状況です。

第4のリスクはユーロ圏の緊張です。ユーロ圏は、金融面ではせいぜい半分しか完成していない連合体であり、金融危機とポピュリズムの余波を受けて、加盟国の考え方が分断されてしまいました。特にイタリアとドイツの間では意見の相違が顕著であり、この緊張が新たな政治的、金融的な危機を引き起こす可能性をはらんでいます。

第5のリスクは大国間の摩擦です。中国の経済的な台頭がグローバル経済のバランスを変化させており、従来の覇権国である米国にとってはマイナスに作用しています。トランプ政権の掲げる「アメリカ・ファースト」政策は、中国との貿易戦争に直結し、さらには同盟国に対しても貿易や安全保障への貢献を巡って対立を引き起こしているのが現状です。

第6のリスクは保護主義の潮流です。金融危機以降、世界の貿易は急激に減速しており、これはサプライチェーンの拡大の限界、投資の減速、そして保護主義的な動きによるものだと分析されています。トランプ大統領の仕掛ける関税戦争は、そのやり方も規模も革新的であり、これまでの「無差別」のような通商原則や、関税の約束を尊重する姿勢を装うことすらしていません。米国が目指す関税の水準は、最も保護主義的な途上国に近いほどになっているのです。

そして第7のリスクは不確実性の増大です。大きな不確実性は企業の投資意欲を冷え込ませ、経済成長の足かせとなります。貿易戦争は、その最も重要な原因の一つです。第二次世界大戦後に構築された貿易体制は、貿易を自由で、より信頼できるものにすることを目的としていましたが、トランプ政権は、グローバルな紛争解決システムを持つ国際協定へのコミットメント、特にWTO(世界貿易機関)への責任を放棄しつつあるのが実情です。

これら7つのリスクは、すべてが世界経済の脆弱性へと繋がっています。IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事も、「米国と中国が自ら関税引き上げ合戦で生み出した傷が、世界経済の回復に打撃を与える可能性がある」と主張し、警鐘を鳴らしています。本来、政治家は不確実な環境下では慎重な対応をすべきですが、ポピュリスト政治家には、そのような注意深さが欠けていると言えるでしょう。私自身の意見として、現状の世界経済の不安定さは、国際的な協調と多国間主義の重要性を改めて浮き彫りにしています。一国だけの利益を追求する政策は、長期的には世界全体、そしてその国自身の経済にも負の影響を与える可能性が高いと考える次第です。

G20の指導者たちは、こうしたリスクに対し、極めて注意深く対応する必要があります。G20は、もともとグローバルな協力を拡大するために創設された枠組みですが、今や、この混乱自体の犠牲者になりつつあるようにも見えます。各国は、このグローバルな病状を自ら治癒する必要に迫られていますが、果たしてその意志と行動力を示せるのか。マーティン・ウルフ氏は、2008年や2009年の金融危機のような深刻な事態が起きなければ、各国は行動しないかもしれない、あるいは危機が起きても動かないかもしれないと悲観的な見方を示しています。私たちは、G20大阪サミットでの議論と、その後の世界情勢の推移を、ただ見守るしかないのかもしれません。

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