外食産業を取り巻く環境は、慢性的な労働力不足や消費税率の引き上げなどにより、非常に厳しい局面を迎えています。そんな逆風が吹き荒れる中、人気ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」を運営する株式会社アレフの動向に、今大きな注目が集まっているのをご存知でしょうか。SNSでも「やっぱりドンキーのハンバーグは裏切らない」「こだわりの品質だからこそ通いたくなる」といったファンからの熱い声が数多く寄せられており、その信頼の厚さがうかがえます。
アレフを率いる庄司大社長は、2020年以降の成長戦略について力強く語ってくださいました。消費増税直後の2019年10月から11月にかけては一時的に客足が落ち込んだものの、事前の価格改定やセットメニューの導入が見事に功を奏したそうです。現在は客数も前年を上回るペースで回復しており、庄司社長は「すでに戦える体質は作られていた」と分析します。むしろ警戒すべきは増税よりも、海外調達に関わる為替の変動や原材料費の高騰であると冷静に見据えています。
価格競争に巻き込まれない強さの秘密は、徹底した「品質へのこだわり」にあります。お肉やお米はもちろん、サイドメニューの素材に至るまで妥協しない姿勢が、多くのファンを魅了し続けている理由なのでしょう。単に「安いから」という理由で選ばれるのではなく、「美味しいから、安全だから」と選ばれる価値を提供することこそ、これからの時代を生き抜く外食企業の正攻法であると私は確信しています。
効率化の先にある「1つ上の接客」と人間味あふれる理想の店舗像
深刻な人手不足への対策として、アレフでは最先端のIT技術を駆使した店舗運営の研究を進めています。期間限定メニューの定番化によるオペレーション(業務工程)の簡素化や、セルフレジの導入なども視野に入れているそうです。しかし、庄司社長のビジョンは単なる無人化ではありません。効率化によって生まれた時間を、お客様との豊かなコミュニケーションという「人間ならではの価値」に還元することを目指しています。
注文が揃った際に「他にご要望はありますか?」と自然に声をかけられるような、ワンランク上の接客教育に力を入れている点が非常に印象的です。サービス業の原点は、人と人との温かい繋がりにあります。効率化を理由に接客を簡略化する企業が多い中、あえて「人間の力」で勝負するアレフの姿勢は、これからの外食産業が目指すべき究極のロールモデル(模範)と言えるのではないでしょうか。
現在約300店舗を展開する同社ですが、将来的には600店舗規模への拡大を目標に掲げています。お客様との対話を重ねながら必要とされる店舗の姿を模索し、企業としての資源を蓄えながら成長を続けるアレフの挑戦から目が離せません。
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