国産デニムの聖地として名高い岡山県倉敷市児島から、ジーンズファンにはたまらない熱いニュースが飛び込んできました。人気ブランド「桃太郎ジーンズ」を展開する株式会社ジャパンブルーが、本社に隣接する場所にデニム生地の新しい製織工場を移設し、2020年1月16日より本格的に稼働を開始したのです。
今回の移設によって、なんと一般の方も製造現場を見学できるようになりました。SNS上では「職人さんの本気の物作りを間近で見られるなんて胸が熱くなる」「児島観光の新しい目玉スポットが誕生した」といった喜びの声が次々と上がっており、早くも大きな話題を呼んでいます。
新しい工場が位置するのは、JR瀬戸大橋線の児島駅から歩いてわずか3分という絶好のロケーションです。これほどアクセスが良好であれば、遠方から訪れる観光客はもちろんのこと、アパレル業界を志す服飾系の学生にとっても、気軽に足を運べる貴重な学びの場となるでしょう。
ジャパンブルーが目指すのは、生地の製造からジーンズの販売までを同じエリア内で完結させる「一貫したモノづくり」の可視化です。生産のプロセスを丸ごと体感してもらうことで、児島地域の産業観光をさらに盛り上げたいという、地域への強い想いがこのプロジェクトの根底にあります。
今回の新工場は、もともと物流倉庫として活用されていた約183平方メートルの建物を、約1600万円の費用を投じて見事にリニューアルさせました。独自のこだわりが詰まった空間には、豊田自動織機製の旧式自動織機が9台もずらりと設置されており、圧巻の光景が広がっています。
ここで使われている「旧式自動織機」とは、現代の高速織機とは異なり、ゆっくりと時間をかけて生地を織り上げる貴重な機械のことです。糸に余分なテンションをかけないため、手織りに近い独特の凹凸感や風合いが生まれ、穿き込むほどに味わいが増す極上のデニムに仕上がります。
現場ではベテランと若手の職人がそれぞれ1名ずつ常駐し、機械の緻密な管理や日々のメンテナンスを担っています。この工場では太い糸を使用したビンテージジーンズ向けの最高級生地が織られており、その生産量はなんと月に約5000メートルに達する見込みです。
これはジャパンブルーが展開する自社ブランドの使用量の、およそ3分の1に相当する驚きのボリュームとなります。さらに、隣には約79平方メートルの検査専用倉庫も新たに増設され、専属の担当者が厳しい目で品質チェックを行う体制が整えられました。
本社と工場が目と鼻の先になったメリットは非常に大きく、社内連携や稼働状況の確認が格段にスムーズになります。効率化だけでなく、品質へのこだわりを全員で共有できる環境が整ったことは、これからのモノづくりにおいて強力な武器になるに違いありません。
ジャパンブルーの真鍋寿男社長は、市場縮小という逆風の中でも、ここでしか実現できない唯一無二のモノづくりを継承し、次世代へバトンを繋ぐ決意を語っています。効率至上主義の現代において、伝統的な技術を守り抜こうとする真摯な姿勢には、深く感銘を受けざるを得ません。
近年はファストファッションの台頭により、安価で手軽な衣服が溢れていますが、だからこそ1本のジーンズに込められた職人の物語に価値が生まれます。皆さんもぜひ2020年の旅先候補に児島を選び、日本の職人魂が息づくデニムの誕生の瞬間を肌で感じてみてはいかがでしょうか。
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