世界のインフラビジネスが激変の時を迎えています。2020年01月20日、日本を代表する建設機械大手の世界戦略、そしてロシアの今後の行方を占う重要なニュースが同時に飛び込んできました。世界最大の建機市場である中国において、現地メーカーの激しい安値攻勢に押されていた日立建機とコマツが、シェア奪還に向けて驚きの大転換に打って出ることが明らかになったのです。グローバル競争の覇権をかけた、まさに背水の陣とも言える再挑戦が始まります。
ネット上では「日本品質が安く買えるなら強い」「レンタルは中国の商習慣に馴染むのか」といった、期待と不安が入り混じった多くの声が寄せられていました。かつて中国市場でトップシェアを誇っていた日本勢ですが、近年は圧倒的な価格破壊を仕掛ける現地企業に苦戦を強いられてきた歴史があります。この危機的状況を打破すべく、日立建機は2020年02月にも、価格を約1割抑えた27万元前後の「中国専用モデル」となるミニショベルを投入する予定です。
今回の戦略の肝は、燃費などの基本性能を高く維持しつつ、操作性に影響のない部品に現地製を採用してコストダウンを図った点にあります。一方のコマツは、初期費用を抑えられる「自前レンタル事業」を本格化させました。都市開発の道路建設に欠かせない油圧ショベルを貸し出し、数年後には中古として購入できる仕組みです。ユーザーの初期投資を極限まで下げるこのビジネスモデルは、これまでの「新車買い替えが主流」だった中国市場に一石を投じるでしょう。
中国は世界の建機需要の約3割を占める巨大市場であり、2019年の販売台数は過去最高を記録したとみられています。経済減速が懸念される中でも、鉄道などの公共投資により底堅い需要が続く見込みです。日本勢がここまで必死になるのは、中国政府が進める広域経済圏構想「一帯一路」が背景にあるからです。アフリカや中央アジアでのインフラ開発を担うのは中国の建設会社が多く、中国本土で認知度を高めなければ、世界中の開発現場から締め出されかねません。
一帯一路(いったいいちろ)とは、中国から欧州へとつながる陸路と海路の巨大経済圏を構築する構想のことです。この巨大な市場に食い込むためには、国内でのシェア回復が絶対条件となります。私は、今回の日本企業の挑戦を大いに支持します。単なる価格競争に巻き込まれるのではなく、日本の強みである「耐久性」や「サポート力」をレンタルや中古市場という新しい形で提供する戦略は、現地メーカーとの明確な差別化になり得るはずです。
ロシアのプーチン大統領が2024年以降の権力移譲を示唆
こうした経済の覇権争いと並行して、世界の政治バランスを揺るがす重大な発言がロシアからもたらされました。ロシアのプーチン大統領は2020年01月18日、サンクトペテルブルクで元兵士らと会談した際、憲法が定める大統領任期の制限を支持する意向を表明したのです。これは、現在の任期が満了する2024年以降は大統領の座に留まらず、後継者へ権力を移譲することを強く示唆した一言であり、世界中に大きな衝撃を与えています。
プーチン氏は2020年01月15日に大統領権限を見直す憲法改正を提案したばかりで、その去就に注目が集まっていました。会談で任期制限の撤廃を求められた同氏は、指導者が死亡するまで権力にしがみつき混乱した1980年代半ばの旧ソ連の状況を引き合いに出し、「あの時代に戻るのは良くない」と主張したのです。権力の硬直化を防ぎ、次世代へのスムーズな移行条件を整える姿勢を示したことは、ロシアの政治史において極めて大きな転換点となるでしょう。
SNSでは「本当に退くのか?」「院政を敷く布石では」といった慎重な見方も目立ちます。独裁的な体制からの脱却をアピールしつつ、国家全体の安定を図るプーチン氏の政治手腕には冷徹な計算を感じざるを得ません。米中対立や中国の台頭が激化する現代において、ロシアのトップ交代劇は国際秩序をさらに複雑化させる要因になります。経済と政治、両面で激動する世界から、私たちは一瞬たりとも目が離せそうにありません。
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