東芝で再び発覚した不適切会計の衝撃!東証1部復帰への暗雲と中国市場で苦戦する日本建機メーカーの再挑戦

名門企業の信頼を揺るがす事態がまたしても発生しました。株式会社東芝の連結子会社である東芝ITサービス株式会社にて、約200億円にものぼる売上高の過大計上が発覚したのです。2020年1月18日に発表されたこのニュースは、多くの人々に大きな衝撃を与えています。2015年に起きた不正会計問題以降、企業統治の強化を進めてきた同社にとって、今回の不祥事はまさに痛恨の極みと言えるでしょう。

SNS上でもこの件に関する反響は非常に大きく、「また東芝か」「ガバナンスはどうなっているんだ」といった厳しい批判の声が相次いでいます。その一方で、「今回は子会社の案件だから親会社へのダメージは限定的ではないか」と冷静に分析する書き込みも見られます。長年のファンや投資家からは、度重なるトラブルに対して落胆と呆れの入り混じった複雑なコメントが寄せられている状況です。

今回の問題を引き起こしたのは、実体のない取引を繰り返す「循環取引(じゅんかんとりひき)」と呼ばれる手法です。これは3社以上の複数の企業間で、実際の製品やサービスの移動がないにもかかわらず、帳簿や伝票の上だけで資金を回して売上を架空に膨らませる不正会計を指します。2019年4月から9月期における東芝のデジタル部門の増収分の大半がこの架空売上だったとみられており、今後大きな修正を迫られる見通しです。

しかし、2020年3月期の通期売上高見込みである3兆4400億円という巨大な業績規模から見れば、今回の件が与える直接的な金銭的ダメージは比較的小さいと予想されます。東芝側も「当該案件は利益率が高くないため、全体の利益面への影響はほとんどない」と説明しています。ただ、金額の多寡よりも、企業の姿勢そのものに対する市場の不信感が強まっていることが最大の懸念材料です。

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緩和される東証1部への復帰基準と審査への悪影響

最も懸念されるのが、同社が悲願としている東京証券取引所1部への復帰計画への影響です。東芝は2017年に債務超過に陥ったことで2部へと降格し、現在は復帰に向けた準備の真っ最中にあります。折しも東京証券取引所は2020年2月にも1部への移行基準を緩和する予定で、必要な有価証券報告書の提出期間が5年分から2年分に短縮される見込みとなっています。

東芝は直近2年分の適正意見を得ているため、この新基準であれば条件をクリアできる公算が大きかったのです。市場では「この規制緩和は東芝の救済を意識したものではないか」という噂すら囁かれていました。そのような絶好のタイミングで今回の不祥事が表沙汰になったため、企業統治の手緩さが改めて浮き彫りになり、東証による厳格な審査において大きなマイナス要因となるのは避けられないでしょう。

これまで東芝は、社外取締役の割合を8割にまで高めたり、会計処理の情報を密に共有する専門委員会を設置したりと、再発防止策を講じてきました。それにもかかわらず防げなかったという事実は、組織の末端までガバナンスを行き届かせることの難しさを物語っています。会社側は2020年2月14日の決算発表までに調査を終え、詳細を公表するとしており、その迅速な対応が注視されます。

私自身の見解としては、いかに優れた制度や委員会を形骸的に整えたとしても、現場の監査意識や企業風土そのものが変わらなければ意味がないと感じます。親会社がどれだけクリーンを謳っても、子会社の不正を察知できなければ統治が機能しているとは言えません。東芝が真の信頼を取り戻すためには、ポーズではない抜本的な意識改革の姿勢を、今後の調査と対応で証明し続ける必要があります。

中国市場で急激にシェアを落とした日本の建設機械メーカーの苦闘

日本のものづくり産業が直面している課題は、会計問題だけではありません。かつて2000年代まで中国の建設機械市場でトップシェアを誇っていた日本勢が、猛烈な勢いで追い上げを食らっています。2018年までの10年間で、業界大手のコマツと日立建機の合計シェアは、わずか9%にまで急落しました。これは最盛期の3分の1に相当する衝撃的な数字です。[/p>

この衰退の背景には、2008年の世界金融危機後に中国政府が実施した巨額の経済対策があります。この好機を捉え、圧倒的な低価格を武器に急速な成長を遂げたのが現地中国のメーカーです。「サニー」ブランドで知られる最大手の三一重工は、2018年時点でシェア23%を獲得して首位に君臨しています。上位8社を占める中国勢の合計シェアは48%に達し、この10年で5倍に拡大しました。

コマツなどは、建機を遠隔監視して稼働状況を管理する高度なシステムを強みとして中国市場へ展開していました。しかし、現地の顧客が求めたのは、高機能よりも「目の前にある圧倒的な安さ」だったのです。日本企業がブランド価値を守るために安値競争への参入を避けている間に、市場の主導権は一気に中国メーカーへと塗り替えられてしまいました。

さらに脅威なのは、中国勢の品質が向上している点です。彼らは豊富な資金力と大量生産によるコスト削減を進める一方で、油圧機器などの心臓部には川崎重工業やKYBといった一流の日本製部品を採用しています。また、技術力を底上げするために、日本の有力メーカーから現役のエンジニアを引き抜いたり、熟練のOBを顧問として雇い入れたりする動きを今も活発に続けています。

こうした現地企業の躍進は、日本の建機メーカーの業績に直撃しました。コマツの連結売上高における中国市場の割合は、2011年3月期の約2割から、2019年3月期には1割にまで半減しています。企業全体としては他の地域での伸びにより売上高約2兆7000億円へと成長していますが、中国が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」の進展に伴い、中国市場の重要性は再び高まっており、価格を抑えた新戦略での再挑戦が始まっています。

安価な労働力と日本の優れた技術・人材を吸収して高品質化する中国企業のやり方は、かつての日本の高度経済成長期を彷彿とさせます。日本企業は「技術の優位性」にあぐらをかくことなく、現地のニーズに合わせた柔軟な価格設定と、他社が模倣できない次世代の付加価値を融合させるビジネスモデルへと転換していくべきでしょう。

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