イーロン・マスクが歓喜のダンス!テスラ株が過去最高値を記録した中国市場の勝算と未来への課題

2020年1月7日の米ニューヨーク株式市場は、中東情勢の緊迫化への懸念からダウ工業株30種平均が前日比119ドル安と、投資家がリスクを避ける動きが強まりました。そんな冷え込んだ相場の中で、驚異的な逆行高を見せて世界中の注目を集めたのが、電気自動車メーカーのテスラです。なんと同日の取引で一時、2010年の上場以来の最高値となる471ドル63セントを記録しました。世界が固唾をのんで見守る中、テスラの評価はいま劇的な転換期を迎えています。

この歴史的な株価急騰の背景にあるのが、中国の上海近郊に建設された現地工場での本格的な稼働開始です。テスラは2020年1月7日に、現地で生産された新型の小型セダン「モデル3」の一般顧客への納車を無事にスタートさせました。式典に登壇したイーロン・マスク最高経営責任者は「予想を遥かに超える成果を達成できた」と満面の笑みで語り、ステージ上で喜びを爆発させた即興のダンスを披露して会場を大いに沸かせました。

このお茶目なダンス映像はSNSを通じて瞬く間に世界中へ拡散され、ネット上では「マスク氏のダンスが可愛すぎる」「テスラの勢いを象徴している」といった好意的な反響があふれています。かつては経営難から、株価の下落を見込んで利益を狙うヘッジファンドの「空売り(株を借りて売り、安くなってから買い戻す取引手法)」の標的にされてきた同社ですが、今回の中国での成功によって投資家たちの評価は一気に引っくり返りました。

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世界最大のEV市場へ挑むテスラの悲願と強み

テスラにとって、政府の補助金を受けられる中国での現地生産は長年の悲願でした。なぜなら中国は世界最大のEV市場であり、2021年には2019年比で電気自動車の総販売量が2倍に膨らむという試算もあるからです。今回発売された「モデル3」の価格は30万元(約470万円)弱に抑えられており、富裕層だけでなく、トレンドに敏感な中間層の手にも届く絶妙な価格設定がさらなる人気を呼ぶ呼び水となっています。

さらにテスラは、2020年中に同じ工場で多目的スポーツ車の「モデル2」の生産も開始する計画を発表しています。金融大手のクレディ・スイスは、同社の世界生産台数が2025年までに100万台に達すると予測し、目標株価を大きく引き上げました。2017年の約5倍に成長するとされる世界規模のEV市場において、テスラが業界の絶対的なリーダーとして他社を引き離しにかかっているのは間違いありません。

編集部としても、今回の中国進出は同社の未来を決定づける見事な一手だと確信しています。これまでのテスラは「素晴らしい車を作るが量産が追いつかない」というジレンマを抱えていましたが、アジアの巨大拠点を確立したことで、一自動車メーカーから世界のエネルギーインフラを支える巨人へと脱皮する足がかりを得たと言えるでしょう。

急成長の裏に潜むリスクと今後の課題

しかし、バラ色の未来ばかりとは言えません。米バンク・オブ・アメリカのアナリストが指摘するように、これまでのテスラは生産の遅れや物流の混乱という弱点を何度も露呈してきました。上海工場の規模を広げるために今後数年間で膨らむコストは、同社の財務を圧迫する懸念材料です。また、2020年1月15日に米中両政府が貿易協議の「第1段階」に署名する見通しですが、根本的な火種は残ったままで不透明感が漂います。

マスク氏自身の奔放なキャラクターも、投資家にとっては良くも悪くも予測不能なリスク要因です。かつてSNSでの不用意な発言が元で米証券取引委員会から提訴された過去もあり、その気まぐれな言動にハラハラさせられている市場関係者は少なくありません。テスラが市場の信頼を完全なものにするためには、この中国での新型車量産をスケジュール通りに軌道に乗せ、有言実行の姿勢を証明し続けることが不可欠となるでしょう。

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