【東芝ライフスタイル】中国・美的集団(マイディア)との融合で挑む家電新時代!黒字化の舞台裏と2020年からの成長戦略に迫る

2019年は夏の天候不順や消費税増税といった逆風が吹き荒れ、国内の家電市場にとっては我慢の年となりました。しかし、そんな激動の環境下でも、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)を搭載した次世代家電が次々と登場し、市場は新たな活気に満ち溢れています。SNS上でも「これからの白物家電はどこまで賢くなるのか楽しみ」といった期待の声が多数寄せられており、スマート家電への関心は日に日に高まっている印象を受けます。

こうした変革の時代において、ひときわ注目を集めているのが東芝ライフスタイルです。同社は2016年に東芝グループを離れ、中国の家電大手である美的集団(マイディア)の傘下に入りました。それから3年が経過した現在、同社の小林伸行社長は「白物家電や生活家電の専業メーカーとしての独立性や自律性のマインドが社内に芽生えてきた」と語り、組織が新しいフェーズへ進化している手応えを明かしています。

その成果は数字にも表れており、2018年12月期には見事に黒字化を達成しました。この復活劇を支えたのは、マイディアが誇る圧倒的な製品調達力と、コストを徹底的に抑える仕組みの活用です。ネットでは「中国資本による効率化のスピード感には驚かされる」という驚きの声が目立ちますが、ただ費用を削減するだけでなく、両社が持つ強みを融合させた「技術のコラボレーション」が進んでいる点こそが最大の強みと言えるでしょう。

具体的な成果として、2019年4月下旬に発売されたルームエアコンには、マイディアが開発した「風を直接感じさせずに室内を冷やす技術」が日本向けに改良されて搭載されました。さらに、2019年に登場したドラム式洗濯乾燥機「TW-127X8」の洗剤自動投入機能も、マイディアの知見がベースとなっています。一方で、東芝が誇るウルトラファインバブルという、繊維の隙間より小さな微細な泡で洗浄力を高める技術はマイディア側へ提供されています。

この国境を越えた技術のシナジーについて、私は非常に合理的な戦略であると考えます。かつての東芝時代にはIT関連への投資が十分ではなかったという課題がありましたが、現在はマイディアが先行する高度なITシステムやIoT技術を日本市場に合わせて最適化することで、ゼロからの開発コストを省きつつ最先端のデジタル家電を生み出せるからです。これこそが、グローバル資本傘下に入ったことによる最大のメリットに他なりません。

日本の家電市場は多機能すぎてガラパゴス化しているという指摘もありますが、小林社長は「地域の生活や文化に密接に関わる白物家電において、日本の高い要求から生まれた特異な技術は強みになる」と分析します。実際に、日本向けの多ドア冷蔵庫や炊飯器は台湾やシンガポールなどのアジア中間層に受け入れられ始めています。また、世界共通の課題である省エネ技術において、日本の先進技術を世界へ提供していく役割は今後も重要性を増すはずです。

東芝ライフスタイルは、2020年以降の3年間で「売上高成長率10%」の維持を掲げています。これまでの3年間が事業継続のための構造調整と基盤づくりの期間だったとすれば、2020年はまさに成長に向けてドライブをかける初年度です。コスト抑制で守りを固めつつ、IoTや海外市場への攻勢で攻める同社の挑戦は、日本の製造業がグローバル競争を生き抜くための新しいロールモデルとなるに違いないでしょう。

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