東証1部上場の大手計測器メーカーであるHIOKI(日置電機)が、業績見通しの下方修正を発表しました。2020年1月10日の開示によると、2019年12月期の連結純利益は前の期と比べて19%減の22億円にとどまる見込みです。当初は4%減の26億円と予想されていましたが、減益の幅が大きく膨らむ形となりました。このニュースに対し、SNSでは「製造業の冷え込みが深刻だ」「自動車関連の投資減速が直撃した」といった、今後の景気動向を懸念する声が数多く上がっています。
今回の業績下振れを招いた最大の要因は、米中貿易摩擦の長期化に伴う世界経済の先行き不透明感にあります。これによって同社の主要な顧客層である自動車業界や電子部品関連企業が、こぞって設備投資を先送りする動きを見せました。設備投資とは、企業が将来の生産拡大や技術向上のために工場や機械などの固定資産を購入することを指します。この投資マインドの冷え込みにより、同社の主力製品である計測器の販売が想定以上に伸び悩む結果となりました。
その影響は売上高や本業の儲けを示す営業利益にも如実に表れています。売上高は前の期比2%減の228億円となる見通しで、従来の増収計画から一転して減収を余儀なくされました。さらに営業利益も15%減の28億円へと引き下げられ、当初の計画から5億5000万円も下回る見込みです。計測器は産業の発展に不可欠な「マザーツール」と呼ばれますが、それだけに顧客の投資抑制の影響をダイレクトに受けてしまうのが、このビジネスの難しい側面と言えるでしょう。
私は今回の発表を受けて、現在の製造業を取り巻く環境の厳しさを改めて実感いたしました。しかし、自動車の電動化(EVシフト)や自動運転技術の開発、次世代通信規格「5G」の普及といった技術革新の波が止まったわけではありません。足元の業績は厳しいものの、これらの先端分野では今後も高度な計測技術が絶対に必要とされます。HIOKIが培ってきた高い技術力は、中長期的な市場の回復局面において、再び強い競争力を発揮するのではないかと期待しています。
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