インターネット上で今、特定のテーマを掲げた会員制のコミュニティーが大きな盛り上がりを見せています。月額の会費を支払うことで参加できる「オンラインサロン」と呼ばれるこのサービスは、市場規模が30億円を超えるほどの急成長を遂げました。誰もが閲覧できるオープンなSNSとは異なり、承認されたメンバーだけが集う閉鎖的な空間だからこそ、周囲の目を気にせず濃密な交流を楽しめるのが最大の魅力です。ネット上でも「同じ志の仲間と出会えた」「モチベーションが維持できる」とポジティブな声が相次いでいます。
かつては著名な起業家や芸能人がファンクラブのように主宰する形が主流でしたが、最近はSNSで多くのフォロワーを持つ一般人が開設する事例も増えています。例えば、ある20代の会社員女性は、自身のキャリアや美容の知見を活かして2019年12月に月額500円のサロンを開設しました。2020年01月21日現在では約250人の会員を抱え、ダイエットや転職といった個別の相談に親身に回答しています。主宰者からの一方的な発信にとどまらず、双方向で熱量の高いコミュニケーションが生まれる場所へと進化しているようです。
さらに、この熱気に注目した大手企業が、マーケティングやファン獲得の場として活用する動きも活発化しています。スポーツ用品大手のミズノは、2019年に無料のサロンを立ち上げて新商品への意見を募る試みを実施しました。また、ベネッセコーポレーションの「たまひよ」が運営するサロンでは、専門家が子育ての悩みに答える動画配信などを行っています。こうした信頼できる企業や、明確な実務スキルが得られるアパレル系の人気サロンなど、自身の目的に合致したコミュニティーを選べる選択肢が広がっています。
しかし、市場の急拡大に伴ってトラブルが増加している現実も見逃せません。国民生活センターの報告によると、2019年に入ってから苦情の相談が目立ち始めています。高額な投資ノウハウや副業の秘訣を言葉巧みに売りつける「情報商材」の温床として、サロンが悪用される事例が後を絶ちません。情報商材とは、インターネット上で売買される、金儲けなどのノウハウをまとめた情報製品のことです。中には、入会後に高額な支払いを要求されたまま連絡が途絶えてしまうといった悪質な詐欺手口も報告されています。
私は、オンラインサロンが持つ「孤独を解消し、挑戦を後押しする連帯感」には素晴らしい価値があると考えています。だからこそ、一部の悪質な主催者によってその健全性が損なわれる事態は非常に残念です。現在は大手プラットフォームが事前審査や見回りを強化していますが、今後は業界全体の共通ガイドライン策定といった仕組み作りが急務でしょう。利用する私たち自身も、甘い言葉に惑わされないリテラシーを持ち、規約や運営体制が透明なサロンを見極めて、安全にこの新しい繋がりを活用していきたいものです。
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