2019年6月25日付および7月1日付で発令された富士ゼロックス株式会社の重要な人事異動は、同社の事業戦略が新たな局面を迎えていることを示唆しています。特に注目すべきは、執行役員である井上あまね氏が、新たに富士ゼロックスシステムサービス株式会社の社長を兼任する人事で、この動きは、富士ゼロックスグループ全体におけるサービス・ソリューション事業の連携強化と加速を狙ったものと推察されます。同社が掲げる「スマートワークイノベーション」戦略の実現に向け、グループ傘下のサービス部門が、より一体となって顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援していく体制が整いつつあると言えるでしょう。
また、7月1日付では、組織体制の大きな変更に伴う執行役員の担当変更も発表されました。これまでスマートワークイノベーション事業を担当されていた執行役員の米山俊治氏は、新たにエンタープライズドキュメントソリューション(SL)事業のSL・サービス担当および同事業副本部長にご就任されました。このSLとは「ソリューション」の略で、顧客の課題解決を目的とした製品・サービス群を指す専門用語です。事業の核となるドキュメント管理ソリューションにおいて、米山氏が培ってきた知見とリーダーシップが発揮され、より高度なサービス提供が期待されます。
この一連の人事再編は、富士ゼロックスが従来の複合機を中心としたハードウェア事業から、ソリューションとサービスを主軸とするビジネスモデルへの転換を、一層加速させていることの現れです。企業経営の効率化や働き方改革が喫緊の課題となる現代において、同社の提供するスマートワークイノベーション、すなわち、場所や時間にとらわれずに生産性を高めるためのIT環境と業務プロセスの変革支援は、まさに社会のニーズに応えるものだと考えます。SNS上でも、「サービスの強化は嬉しい」「富士ゼロックスのDXへの本気度が伝わる」といった、今後の事業展開への期待を示す反響が多く見受けられました。
さらに、藤巻昌弘執行役員がエンタープライズドキュメントソリューション事業の副本部長に就任されたほか、井上あまね執行役員が、富士ゼロックスシステムサービス社長の兼任に加え、アドバンスドインダストリアルサービス事業の担当および本部長にご就任されています。アドバンスドインダストリアルサービス事業とは、製造業などの産業分野に対し、高度なIT技術や専門的なサービスを提供する部門を指します。この人事は、ドキュメント領域を超えた、より専門性の高い産業分野への進出と、サービス事業の多角化を強力に推進していくという、富士ゼロックスの揺るぎない決意を示していると言えるでしょう。
一連の人事から見えてくるのは、「人」と「情報」のより良い連携を実現するための体制強化です。社長を兼任する執行役員を配置し、事業部門間の連携を深めることで、顧客への提供価値を最大化しようという、経営層の強い意志を感じます。富士ゼロックスの新たな経営体制が、どのようなイノベーションを市場にもたらすのか、今後の動向から目が離せません。
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