愛の力は計り知れません。「愛している」という言葉の響きだけで、人は強くなれる気がするほどのパワーを秘めているものです。しかし、その感情はあまりにも熱く、時には「重たすぎる」と受け止められ、制御不能な**「愛の暴走」**を引き起こしてしまう可能性もあります。この記事では、そんな熱い想いをどう伝え、どう受け止めるかという課題に対し、現代的なアプローチを試みる二つのユニークな事例をご紹介しましょう。愛のままに、わがままに相手を傷つけないためのヒントが、きっと見つかるはずでしょう。
愛が溢れすぎて不安になる気持ちを、あえて行動で表現する試みがあります。東京工業大学大学院に在籍されている高桑蘭佳さんが開発したスマートフォンアプリは、設定した距離を歩きながら、画面に現れる「◇」の印を集めることで、パートナーへメッセージを送れる仕組みです。その名も「愛してるの言葉じゃ足りないくらいに君が好きなので歩く」。このネーミングからも、高桑さんの彼氏に対する熱い想いが伝わってくるでしょう。彼女自身、実際に東京駅から千葉県浦安市の東京ディズニーランドまで、約20キロメートルを歩ききった経験があるとのことです。
高桑さんは「彼氏が少し引くくらいの**『重たい愛情表現』**をしたくて作った」と語っています。実は、高桑さんは以前から「彼氏に24時間一緒にいてほしい」という願望から、「彼氏を束縛する研究」をされていたそうです。しかし、会社を経営する彼氏から「実績が必要」と言われたことをきっかけに、メンヘラテクノロジーという会社を立ち上げられました。この企業名は、一般的にネガティブな文脈で使われがちな「メンヘラ」(メンタルヘルスに問題を抱える人、あるいはその傾向を指す俗語)という言葉を、あえてテクノロジーと結びつけることで、心の機微をポジティブに捉え直そうとする意図が感じられますね。
彼氏と離れている時間に募る不安を解消するため、つい女友達に連絡してしまうものの、「彼氏がいない時だけ連絡してくる」と疎まれてしまう経験もあったそうです。そんな悩みを解決すべく、高桑さんは有料の**「メンヘラせんぱい」というサービスを考案されました。これは、寂しい時に気軽に話を聞いてもらえるサービスであり、初回は月1回無料で、2回目からは30分300円というお手頃な価格設定になっています。LINEでのやり取りや通話を通じて、利用者は事前にアドバイスの有無や、親しみやすい・丁寧な口調のどちらを希望するかを指定できるため、愛が暴走しがちな時でも、理想的な「話し相手」**として機能してくれるでしょう。ただし、このサービスは現在のところ女性限定での提供となっています。
実際にこのサービスを試した24歳のまゆかさんは、友人との関係で「土日は楽しいことをしているはず」「昼は忙しいから返せない」などと、相手に気を使いすぎてしまい、メッセージを送るタイミングに悩んだり、送った後に思い悩んでしまうことが多かったと言います。しかし、メンヘラせんぱいに対しては「友達ではないから思い切ったことも言える」と語られており、気を遣いすぎる性格の方にとって、心置きなく本音を打ち明けられる安全な場所となっていることが窺えます。これは、友人に**「依存」することなく、心の安定を保つための新しい形の「セーフティネット」**として機能しているのかもしれません。
🎁愛を形にする「トランプラブレター」ブームの波
「愛しちゃったのよ、寝ても覚めてもあなたのことばかり」——この熱い想いを、どうにかして直接伝えたいという方には、トランプラブレターというロマンチックな方法が、現在人気を博しています。これは、トランプのカード52枚すべてに、相手の好きなところや長所を一つずつ書いてプレゼントするというものです。熱い想いをおしゃれかつ形に残る方法で伝えられるとあって、近年、特に女性の間で、プレゼントとして選ばれるケースが増加しています。SNS、特にインスタグラムでは、このトランプラブレターの検索がブームとなっており、海外発の流行が日本にも上陸した形ですね。
愛知県に住む23歳の女性は、彼氏との交際半年記念日にトランプラブレターを手作りし、「改めて彼の良いところに気づけました」と喜びの声を寄せています。「家まで毎日送ってくれるところ」「膝の上で寝ちゃうところ」など、日常の小さな幸せをカードに綴り、裏面には思い出の写真を貼り付けたそうです。受け取った彼氏は「照れてたけどすごい喜んでくれた」とのこと。また、彼氏の誕生日にプレゼントしたという18歳の女子高校生は、「本人でも知らないような長所を書いた」と工夫を凝らしたそうです。ただし、彼女は普段なかなか愛を伝えてくれない彼氏に対し、「お返しのトランプラブレターが欲しいな(笑)」と、可愛らしいリクエストもされていました。
インスタグラムの投稿を見ると、このトランプラブレターは、結婚式のサプライズプレゼントとしても大人気です。24歳の西山奈々さんは、2019年6月26日の記事制作時点において、ご自身の結婚式で、新郎の和冶さん(24歳)にプレゼントされました。52枚のトランプを窓に美しく飾り付けた写真を投稿し、「形に残るものをあげたくて」と語っています。感動屋ではないという和冶さんも「ちょっとこらえてた」と、その効果は絶大だったようです。また、29歳の会社員、相澤奈央子さんも、28歳の新郎・優太さんに結婚式で渡し、「10周年、20周年とかでまた作れたらいいな」と、愛の軌跡を刻むアイテムとして大切にされていることが分かります。
神奈川県の結婚式場「アルカンシエル横浜」の飯塚栞さんによると、新婦から新郎へのプレゼントは候補が少ない傾向にある中で、このトランプラブレターは、自分でデコレーションし、**「自分だけのオリジナル」**なプレゼントを作れる点が、人気の理由となっているようです。重すぎるほどの愛も、形にして伝えることで、受け手にとってかけがえのない宝物となるでしょう。私たちは、愛の熱量に戸惑うこともありますが、結局のところ、それは人間にとって最も大切な感情の一つであることに変わりはない、と私は考えます。熱い想いを恐れず、個性的な方法で伝え続ける姿勢こそ、現代の愛のあり方を象徴しているのではないでしょうか。

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