自動車のプラグやセンサー分野で世界をリードする日本特殊陶業が、大きな変革の舵を切っています。川合尊社長は2020年を「新事業を具現化する年」と位置づけ、これまで温めてきた革新的なプロジェクトを次々と始動させる方針を明かしました。この積極的な姿勢に対し、SNSなどでは「老舗メーカーの攻めの姿勢に期待したい」「技術力がどう花開くか楽しみだ」といった応援や期待の声が数多く寄せられており、世間の注目度の高さがうかがえます。
特に注目を集めているのが、同社が20年もの歳月を費やして研究開発を続けてきた「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」の事業化です。SOFCとは、セラミックスを電解質として用いることで、高い発電効率を実現する次世代のクリーンな燃料電池を指します。2019年には日本ガイシやTOTOなどと共同で「森村SOFCテクノロジー」を設立して事業を開始したほか、三菱日立パワーシステムズとの新会社も間もなく発足する予定であり、環境ビジネスへの本格的な本格参入が現実味を帯びてきました。
同社の挑戦はこれだけに留まりません。先進的な技術を持つスタートアップ企業への投資も積極的に行っており、すでに医療や環境といった多様な分野の20社以上に出資を完了しています。川合社長はそのうちの数プロジェクトが、近い将来にしっかりと利益を生み出す主力事業へと成長することに強い手応えを感じているようです。既存の枠組みにとらわれず、外部の新しい感性や技術を柔軟に取り入れる姿勢は、これからの時代を生き抜く企業にとって非常に重要な戦略であると感じます。
さらに、2018年にアメリカの企業から買収した酸素濃縮装置事業も、自社製品の販売ルート拡大という形で着実に成果を上げています。現在は、自社が得意とする高精度なセンサー技術とこの濃縮装置を融合させ、これまでにない画期的な医療機器を開発できないかという具体的な検討が進められている状況です。自動車関連で培ったコア技術を医療という全く異なる分野に応用する試みは、非常に理にかなった素晴らしいイノベーションだと言えるでしょう。
一方で、現在の主軸であるプラグやセンサー事業を取り巻く市場環境は、予断を許さない不透明な状況が続いています。これまで成長を牽引してきた新興国市場も、今後はその勢いが緩やかになる可能性が懸念されているのが現状です。こうした課題に対し、同社はまだ市場シェアが低い中国市場に着目し、販売方法やマーケティングに工夫を凝らすことで新たな突破口を開こうとしており、逆境を跳ね返そうとする強い意志が感じられます。
2020年01月29日時点で示されたこのビジョンからは、伝統的な技術力をベースにしながらも、環境や医療といった時代のニーズに合わせた新領域へ果敢に飛び込む同社の覚悟が伝わってきます。既存事業の基盤を維持しつつ、次世代の柱となる新事業をどのように軌道に乗せていくのか、これからの展開が非常に楽しみです。
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